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眩いまでの光は5秒ほどで収まった。
その後、水晶の隣に置いてあった小さなカードに次々と数字が書き出されていく。
「はい。こちらがトーヤさんの今の能力値です。どうぞ」
礼を言って受け取る。カードの1番上に、自分の名前と年齢があった。そしてその右にLv6と書かれている。これがレベルだろう。
そして肝心の能力値は、
体 力38
魔 力10
攻撃力17
防御力11
俊敏力15
と言うものだった。普通レベル6と言ったらどのくらいの数値なのか分からないので、何とも言えない。
「あのー。これってどうなんですかね?」
「そうですね……。同じレベルでも何な経験を積んで上がったのかによって能力値の変化には差があるので一概には言えませんが……全ての能力が平均値ですね」
「そうなんですか」
俺の両親は冒険者だった。
父は両手剣を振り回すパワータイプ。
母は細剣と回復魔法を使うスピードタイプ。
どうやらお互いの短所がお互いの長所を消し合い、全ての能力が平均値となってしまったらしい。
「それではこれから依頼の受け方の説明をします。よろしいですか?」
「はい、お願いします」
「カウンター隣に冒険者用端末が設置されているのがわかると思います。その端末に、ご自分のランクと、受けたい依頼の種類を選択して入力して下さい」
「ランク? レベルですか?」
「いえ、違います。ランクとは、冒険者ギルドが定めた強さの指標のようなもので、下から順に、ビギナー、ブロンズ、シルバー、ゴールド、プラチナ、レジェンドと6つあり、これは様々な依頼をこなしていくことで昇格試験が受けられるようになります。」
「なるほど。俺は今登録したばかりだからビギナーですね」
「そうです。そして、依頼の種類を選択すると、今受けられる依頼がいくつか表示されるので、その中から好きなものを選んで受注して下さい。受注するのに料金はかかりませんが、失敗したり期限が切れたりすると違約金が発生するのでご注意下さい。」
「わかりました」
「今日から受注出来るので、簡単なものを1つ受けてみてはどうでしょうか? また、分からないことがあればいつでもお聞きください。」
「はい。そうしてみます。色々、ありがとうございました」
そう言って俺は、その場を離れた。