第5話 秘密 その1
部屋に陽の光が差し込み、俺の顔に当たる。良い朝だ。ベッドから起き上がって座り、ぎゅーっと伸びをする。
昨日、あの後俺はオリヴィアに怒られた。申し訳なく思う。そしてオリヴィアはエマさんに怒られた。ざまぁみろ、自分は遊んで、他人にキノコ採りなんかの面倒ごと頼むからだバカ!……ん?なんか一瞬背筋がゾワっとしたけど、気のせいか。
さて、今日は親父から話を聞く日だ。昨日は久しぶりに中々寝付けなかった。少し寝不足だ。まぁ、それくらいは気にする事じゃない。
俺は早速部屋を出て、リビングに向かった。親父がもう椅子に座っていた。そしてなぜか、ローランさんとエマさんもいた。
「おはようございます、ローランさんエマさん!……あと親父も…。」
「「ノアくんおはよう!」」
ローランさん夫妻は朝から息ぴったりだ。
「おいおいおい!実の父親後回しかよ!しかもボソッと言うな!ったく、寝癖ビヨンビヨンのくせに。」
親父がなんか言ってるけど、無視だ無視。俺は親父の目の前の椅子に座った。ローランさんは親父の横、エマさんが俺の横に座っている。
「さぁ、まずは話の前に朝ごはんを食べちゃいましょ!ノアくん!おばさん達はもう食べちゃってるから、お父さんと一緒に食べちゃいなさい。」
「はい、分かりました。いただきます。」
今日もいつも通りの朝飯と違った。イモを蒸したやつに、レタスが添えてある。それに、肉がある!これはきっと親父が狩ってきたやつだろう。
ガツガツと食って腹一杯になった。やはり肉は良いな!さて、そろそろ本題に入るか。
「親父、そろそろ教えてくれよ、昨日の話。親父は何やってんだよ?それに、あの女はなんなんだ?なんで俺はあいつに追われなくちゃならないんだよ。それに…「まぁ、落ち着け!」
「俺だって考えなしに隠してたわけじゃない。お前に確認しておきたい事もある。それに、ローラン達がここにいるのは、彼らにも話しておきたいからだ。お前を育ててくれた恩人でもあるしな。」
「よせよ、アレン、照れるだろ〜。」
ローランさんがニヤニヤしてる。なんかキモいな。
「確認ってなんだよ。そんなんいらねぇよ。」
「ん、そうか?お前オリヴィアちゃん好きだろう?この話を聞けばもしかしたら、これから一生離れ離れだな。そもそも、すぐ死んでしまうかもしれない。それでも良いんだな?」
「う、それは……。いや、いい!俺は親父以上の狩人になるんだ。それくらい覚悟がなければダメだと思う!」
「おい、アレン、そんなに重い事なのか?」
「ローラン、これは本当にヤバいことなんだ。本気で命に関わる。そして、ノア、お前に覚悟が少しはあることが分かった。話そう。これまでの事と、少しだけこれからの事を………。」
親父は俺たちにいつになく真剣な顔で話始めた……。
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