苦しくて
吸っても吸っても苦しい。私は確かに呼吸をしているはずなのに、いくら吸っても肺は充たされない。泣きじゃくっているみたいな声も混ざる。
「ゆーっくり息しようねー」
出来るならとっくにしてるし。それが出来ないからこうして必死に吸ったり吐いたりしてんだよ。
口に溜まった唾液が、糸を残しながら垂れた。飲み込めない。飲み込んだら呼吸が途切れる。
そんなことしたら私その瞬間に死んじゃう!
かろうじて手の甲で拭えるものの、指が痺れてグーの形のまま固まっている。本当はティッシュとかで拭きたい。とても拭きたい。
私の唾液でべっちょり汚れた、
私の手。
この苦しさを、過呼吸、というらしい。体内の酸素が増えているから、紙袋などで口と鼻を塞ぎ、ゆっくりと呼吸をして自分の吐いた二酸化炭素を吸い込む、というのが解消法だと、私は知っている。しかしこの生きるか死ぬかの状況で、ゆっくり呼吸をする、などという冷静な行動は取れるはずがなかった。
耳鳴りが酷い。
看護師の女の、大丈夫だからね−という、今の私から言わせると無責任極まりない言葉や診察室のざわめきが遠退いていくのがわかった。数人に抱えられて、ベッドに寝かされる。
嗚呼…ついに……
さよなら、私。
さよなら、みんな。
そう思ったその時、右肩がちくりと痛んだ。その感覚は徐々に増していき、もうダメだと思った所で解放された。
「今、身体が楽になるお薬注射したからね−」
楽になる薬…にしては痛かった気がする。声が出て手足が動かせる状態だったら、注射をした看護師を、間違いなく蹴り倒していただろう。それに、楽になる…楽になるってどの"楽"なんだろう。
浅く早いままの呼吸。
垂れ流しの涎と涙。
ズキズキ痛み出す右肩。
薄れる意識。
少しでも、一秒でも早く収まるなら、私なんだってする!
なんだってするから!
だから…!!
何事もなく眠りにつく時みたいだった。
脳味噌内で散々飛び交っていた言葉も、飛んだ意識の中に飲まれた。
目が覚めた時、どうかこの苦しさが残っていませんように。
最後の最後に、それだけ願った。
全く中身がないんですが(汗)ほとんど体験した時のことです。実際に意識は飛びませんでしたが…今も完治してなくてたまに出ます。なんとかしたい!という気持ちも込めて、思いきって書きました。もう、ほんと、意味わからなくてすみません…!読んで下さった方、ありがとうございました!!