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くらい日向  作者: 太一
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自己嫌悪

 SNSと言うのは案外便利なものだ。私の様にあまり人付き合いの多くない人間にも、元同級生と連絡を取る手段になる。それと同時に、実名や個人を特定できる情報を平気で載せている彼らに、少しばかり警戒心に欠けるのではないかと思わなくもない。

 私が真っ先に探したのは、関本人のSNSだ。大学生になりたての頃、知人のSNSを漁っている時に見かけた記憶があった。

 しかし、いくら探しても見当たらない。削除されたのか、親戚が削除したのかは定かではないが、もう彼女のページは存在していない様だ。

 何となく、寂しい気がした。こうして次第に人々の記憶から消えていくのか、なんて柄にもなく思ってしまう。


「彼女に聞いてみるか……」


 本当なら、この手は使いたくなかった。彼女は優しいから、連絡をすれば返事をくれるのが解っていたからだ。そして何より、あの人に連絡を取ろうと、そう決めた瞬間から高鳴っている自身の鼓動にも、心底嫌気がさす。

 だが、彼女らは仲が良かったのだ。野崎を切った今、私に残された手がかりは彼女だけだった。


『突然ごめんなさい。関について幾つか聞きたいことがあります。余り気は乗らないかも知れませんが、取り敢えず、可不可のお返事だけでも頂きたいと思っています。』


 余所余所し過ぎるだろうか。しかし、私の立場からでは、とても彼女に馴れ馴れしいメッセージを送るだけの度胸を持てなかった。

 すぐに返事が来れば良かったが、もう既に時計の針が天辺を越える頃だ。チラチラと画面を確認しつつ歩くが、一向に携帯は着信を知らせない。


 家に到着し、寝る準備が整ってもまだ、鳴らなかった。己のメッセージを見返すたびに、段々と気恥ずかしさが沸き起こってくる。

 もう少しだけフランクなメッセージにしておけば良かったか。そんな羞恥心さえも、やはり酷く醜いものに思えて、更に自分を恥じた。

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