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仲間、いや、家族がほしい。  作者: ステレオくん
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第一話 死神セケル

初めての投稿です。

つたない文章ですがよろしくお願いします。

 初めまして。私の声が聞こえる者たちよ。

 私はすべてを造りしモノだ。

 まぁ、創造神の1柱だと思ってくれ。

 え、名前が知りたいって?

 あー、それはちょっと遠慮しておこうかな。

 まだ君たちと仲良くなったわけじゃないしね。

 それでは本題に入るとしよう。


 さぁ、今から始まる物語は、ある1柱の邪教神とそれに毒された1人の子供の物語だ。

 彼らは、面白い奴らだよ。前世の彼らとはずいぶん遊んだものだ。

 いや、正確には前世ではないか。まぁ、気にすることはない。

 今回も楽しませてくれることを願ってるよ。

 え、そんな話に興味がないって?

 まあまあ、僕もこう見えて3500年も生きているんだ、ちょっとくらい話を聞いてくれたっていいだろう。

 僕には制約が多くてね、だいぶ退屈してるんだ。これも一つの暇つぶしだよ。

 とりあえず話も終わったし、物語を見ていくとしよう。


 今回こそ、楽しませてくれるといいんだが。





 

 「っつぁー、死神ってつれぇー」

 町はずれにある酒場で一体の死神がそう叫んだ。

 「給料低いし、世間の目はきついし、何しろ目も前げ人が死ぬとこ見るんだぜ?普通の神経じゃやっていけねぇよ。」

 その死神はさらにそう叫んだ。

 彼の名は「アサシス」死神の一人である。

 

 死神という職は世間からの評判がとても悪い。

 違う種族とはいえ、生きてるものに死をそそのかし「死にたい」と思わせ、死期を早めさせる。その時に生命力を奪うのだ。

 ただ、生命を殺すことには変わりはないので、「非人道的だ」と、死神たちはそう言われていた。


 「俺たちがいないとこの世界は成立しないのに、なんでこんなに言われるんだろうな。」


 この世界の死神の種族たちは、人が死んだときに発生するエネルギーを生活に使っている。

 明かりも、移動も、食べ物も、呼吸も。わかりやすく言うと、魔力みたいなもんだ。人が死ぬときに発生するエネルギー、その名も「死力(しりょく )」。

 すべてにおいてそのエネルギーが使われているのだ。


 「お前もそう思わね?なあ、セケル?」

 アサシスは隣にいたもう一人の死神、セケルに聞いた。

 もう一人の死神セケルは、目を伏せたまま

 「俺は、この仕事が好きだ」

 とぽつりと言った。

 「ほかの死神たちと話さないでいいし、年寄ばっかで子供とか、若い女に合わないで済む。」

 続けてそう言った。

 「そうかー?おれは、ピッチピチのお姉さんと話したいけどな!」

 そうアサシスはまた大声で叫んだのだった。



 死神という職業はとにかく朝が早い。

 理由は単純で、担当する人間が起きる時間までに起きないといけないからだ。

 当然、前日飲み明かしても朝起きる時間が遅くなることはない。


 ジリジリジリー。

 朝5時半。ベッドの上の目覚まし時計が勢いよく音を立てている。

 部屋の住人、セケルはうっとうしそうにその時計を止めた。

 「もう、朝か。」

 昨日も夜遅くまで飲み、しっかりと寝ていないセケルはゆっくりと体を上げてそう言った。

 死神であろうと、朝のやることというものは人間と一緒だ。

 眠そうな目をこすりながら、たどたどしい足で朝の準備を続けていく。

 いつも通り、朝のニュース番組を見ながら朝食をとっていると一通のメールが届いた。


 「おはよーー!セケル!昨日は眠れたかぁー?

 おまえ、べろんべろんに酔ってってよぉ、家に運び込むの大変だったぜぇ。

 ところでさ、今日から新しいやつの担当になるんだろ?資料もらったか?面白いことになってるぜ。

 じゃな、遅れんじゃねーぞ!」


 セケルはまだ寝ぼけている頭でゆっくりと話を整理していった。

 話を理解してまとめることが苦手なセケルはこうしないと話が理解できないのだ。

 「なるほど、そういえば今日は新しい担当につく日だった。」

 セケルはそうつぶやいた。

 ならば、急がなければならない。

 そう思ったセケルは、いつもよりも早く身支度を済ませ、職場へと出かけた。



 死神第五派遣所転送室、ここがセケル達死神の職場である。

 第五派遣所転送室は5階建てで一番下がエントランス。ばかでかい。

 そしてその上にあるのがここ転送室である。

 人間の世界に行く死神たちはこの施設で働いているのだ。

 第一から第十三まで存在しており、各派遣所にそれぞれの死神が働いている。


 死神たちには始業時間というものはない。

 担当のものが起きた時間が始業時間だ。

 先日までセケルは年老いた男の担当だった。

 彼は非常に早く起きる人間だったのでセケルは苦労していた。

 しかし、今日からは新しい担当である。

 ただ、日ごろの癖は抜けずいつも通りとても早い時間に来てしまった。


 「よぉー、セケル。今日も早い出勤だな。」

 コーヒーを片手に席に座っていたアサシスは、朝だというのに元気な声でそう言った。

 「いやぁ、今日から新しい担当って聞いたから、早めに来るべきだと思ったんだ。」

 セケルはそういった。

 「そういえばそうだったな。で、だれかきいたか?」

 アサシスは、キラキラした、まるでおもちゃで遊ぶ子供のような顔でそう言った。

 「いや、まだだ。」

 そんなアサシスの笑顔を華麗に受け流してセケルは言った。

 アサシスは、そんなセケルを見て

 「はぁ、つまんねぇやつだなぁ。室長がお前のこと探してたぜ。きっとそのことだろうから早く見つけたほうがいいぜ。」

 といった。

 セケルはしっかりとその言葉をいつも通り丁寧に整理して

 「わかった。」

 といって、室長を探しに行った。



 室長室は第五派遣所転送室の最上階にある。

 

 コンコンコン。ノックを三回して返事を待つ。

 「はいれ」

 中から低く重みのある声が飛んできた。

 

 セケルはいつも通り無表情で室長の話が終わるのを待った。

 セケルは自分の次の担当を聞きに来ただけだったのだが、室長はこちらもまたいつも通り、他愛もない話を続けている。


 室長の名は「ウネイシス」

 話していることは、最近妻が冷たいだの、娘が思春期で洗濯物をいっしょに洗うと怒られるだのそんなことだ。

 あまりにも長すぎるのでセケルは自分から聞くことにした。

 「室長、本日呼ばれたのは新しい担当のことについてだと伺ったのですが、、、」

 室長は、普段全くしゃべらないセケルが唐突にしゃべり出したので、一瞬動揺して目を見開いたが、すぐに元の顔に戻った。

 「そうだそうだ、新しい担当の話だったな。すまんすまん。お前は無言で聞いてくれるから話しやすくてつい話しすぎてしまった」

 室長はそういって引き出しから封筒を出した。

 「さて、セケル君、前回は5年かかるといわれていた仕事を1年で終わらしてくれてありがとう。儂もこれほど早く終わるとは思うとらんかった。

 それで一つ頼みがある、今回の担当はちと手がかかる相手でな、20年はかかると予想しておる。セケル君の力でどうにか5年で終わらしてほしい。

 よろしく頼む」

 室長はそういうと、封筒の中から一枚の写真とメモを取り出した。

 「さて、今回君にお願いするのは、こいつじゃ。名は「香道咲人(こうどうさくと)」7歳じゃな。親に捨てられ、姉と二人で暮らしておる。

 それを聞いてセケルは驚いた。相手が子供だったからだ。

 室長は続けていった。

 「これを頼めるのは君だけじゃ。頼む、どうにか5年で処理してくれ」

 頭を下げて室長は言った。

 さすがにここまでされるとセケルも断れない。いくら苦手な子供だからって頼まれると断れない男、それがセケルだ。

 「わかりました。頑張らせていただきます」

 セケルはそう言って、室長室を出ていくのであった。





 どうだい。彼は面白いだろう。

 ははは、まだわからないか。

 今度こそ、面白くなると私は思っているよ。

 おっと、そろそろお別れの時間だ。

 先ほども言ったが私は力が制限されていてね。君たちの前にこう出るのにもだいぶ力を使うんだ。

 では、また会うとしよう。

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