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第四章 途切れた時間#4

 やっと追いついた努を忠志が睨みつける。


 巣箱の前に張られた暗号文を見つけた耕基が、声を出して読み上げて行く。

 

 暗号文②


 白い綿菓子。でも、食べられません。東へ250歩。


 「何だろう? 分かる?」

 4人は顔を突合せ、唸る。

 「やばいよ。他の奴らも来たぞ!」

 忠志が焦った声で、皆を急かす。

 「とりあえず、東に歩いてみよう」

 健一が言うと、皆で一、二と数えて歩き出す。

 動こうとしない努の腕を裕太が掴む。

 耕基もそれに気が付いているが、何も言ってこなかった。

 「ねぇ、綿菓子屋さんなんかないよ」

 裕太が情けない声を出すと、忠志が振り返って他の班が駆けて行くのを悔しそうに眺める。

 「まじ、あいつらは分かってんのかな?」

 忠志の呟きに、健一が顔をしかめる。

 「ちゃんと考えろよ」

 「やっているじゃねーか」

 「もう喧嘩は後にしようよ」

 「そうだよ。全員一緒にゴールしないと景品がパーになっちゃうだろ」

 「景品景品って、どうせくだらないもんだろ。耕基、うぜぇ」

 「だからさ、ちゃんとやろうぜ」

 「そんなこと言ったって、見えるのは牧場だけだし……」

 「ちょっと待って。あそこ」

 健一が忠志の言葉を遮り、指差した方を皆で一斉に見た。

 その先には小動物園があり、そこには白くふわふわした物体が見える。

 「もしかして、羊?」

 裕太の声が裏返った。

 「ほら、綿菓子だけど食べられないって書いてある」

 皆の目が輝く。

 流れについていけない努が突っ立っていると、祐太が背中を押してくる。

 「もう走って」

 それでもノロノロと歩く努を見かねて、祐太が腕を取る。

 勇ましかったのは数分だった。

 立場は逆転し、努が祐太ので中を押し、何とか皆の元へ送り届ける。

 耕基が嬉しそうに、大当たりとニヤッと歯を見せる。

 裕太が、座り込み水筒の水を一気に飲み干す。


 『ふれあい動物ランド』と書かれた看板にメモが張られ、メェ~0文は斉藤先生です。

 「もう、つまんない駄洒落考えて……。こういうのは教頭先生じゃない?」

 苦笑しながら耕基が言うと、忠志と健一が頷く。

 問題の斉藤先生は居場所を見つけることだった。

 三人にはきょろきょろと当たりを見回し始める。

 「裕太も早く探せよ」

 努と一緒に木陰に置いてあるベンチに座っているのを見られ、焦って飛び上がる。

 「ていうかさ、お前も探したら?」

 答えが見つからないで、イラついた耕基が努に突っかかって来る。

 かなり険悪な雰囲気である。

 祐太が生唾を飲み込む。

 ノロノロと立ち上がった努は、渋々と策にいる羊の群れの方へ目を向け、探すふりを始める。

 「あっ」

 努の上げた声に、忠志が怪訝な顔を向ける。

 「あそこの人?」

 不自然に大きな帽子をさっきから何度も手で上げたり下げたりして、顔を見せては隠すを繰り返していた。

 「あのすいません」

 祐太が率先して話し掛ける。

 「ばれたか」

 ニッコリして帽子を脱ぐ。

 「あぁ、斉藤先生だ!」

 耕基と健一が同時に叫ぶ。

 暗号文を受け取ったのは耕基だった。

 裕太が努の事を肘で小突く。

 努は少しだけ嬉しくなり、頬が上に動く。

 

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