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コンテスト2

教会は普段、ほとんど何もないところだけれども、この季節だけはヒイラギとその赤い実のリースが飾り付けられる。また、モミの木の上にダビデの五芒星の星が輝く。モミの木は、男たちが切って苦労して持ち運んできた物だ。ヒイラギは教会の壁の中央に、ツタはそれぞれ四隅に巻きつけられていた。


教会のイベントは、食事会が終わり、ダンスの代わりに子供たちによるイエス・キリストの誕生の演劇が行われていた。

この劇では、マリア様が天使からイエスを妊娠した事を告げられ、やがてイエスが馬小屋で産まれ、そこへ東方から3人の賢者が祝福にやってくるというものだった。

 子どもたちなので、演劇といっても台詞を間違ってしまったりすることもあるのだけれど、大人たちが台詞を舞台の下からささやいてなんとか劇を終わらせていた。


そのあと、ヒイラギとツタのコンテストの開始が神父様によって告げられた。

 このコンテストは即興の歌を歌ってもよいけれども、一定の韻を踏んでいないと歌として認められない。また、ヒイラギとツタに関わらない賛美歌の斉唱も問題なかった。


すみれも女性達に混じって舞台に昇る準備を始めた。何度か目があったが、彼女の目は暗いままだった。

 最初の曲は昨年勝った男性側からだ。最初の曲は自分が歌う担当ではなかったので、すみれの方に近づいていった。


舞台では5人の男性によって「ヒイラギ飾ろう」が歌われていた。


ホールをヒイラギの枝で飾ろう

ファララララララララ

この季節は楽しくなるもの

ファララララララララ


最初の歌詞では、クリスマスではなくユールという言葉を使っていたけれども、後の方の歌詞では「古い年月は過ぎて新しい物を受け入れよう」という歌詞になっている。

もしかすると、ユールだとかをやめてキリスト教を受け入れようという意味なのではないかとふと気になった。


歌が終わると惜しみない拍手が送られ、次は女性の番になった。


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