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冬の夢1

その次の日、朝からメールで夢をみたと連絡がきていた。

昨日のマーサさんの影響だと思うけれど、男性陣と女性陣に分かれて歌を練習しているという夢だったらしい。


大学に向かいながら今までの話を考えてみると、結局ヒイラギとツタのコンテストについては、男性側のヒイラギとツタが栄えていたという話に終始してしまう。キリスト教は少なくとも過去は男性優位な宗教だったから、それも自然な流れだったのかもしれない。


大学の授業ですみれと会うと、お昼を食べながら昨日の夢の話になった。

「なんだか、やたらリアルなの。最初はぼやけていたんだけれど...。それで、男性陣はヒイラギとツタを歌うことが決まっていて、これから練習に入ることになっていて、男性と女性の大人は教会に飾り付けをするの。女性陣は別の場所で、何を歌うか相談をすることにしていて、アシュリーもいたのよ。あの子は魔女だったわ。間違いなくね。ただ、魔女以外の女性を集めて相談しても、やっぱりどの歌を歌うか迷っていたの。もちろん題材はツタでね」


そうか、ヒイラギとツタは男性側が歌うのか。確かにYoutubeでも少年合唱団だったような気がする。

結構韻を踏んでいるし聴きやすいいい歌だと思う。

「確かにコンテストだもんなぁ。女性側にツタの歌があってもいいはずだと思っていたけど、そういえば見つからないね」


そのあとすみれと2人で漆原先生に呼ばれ、ラエマ冬の書のパリンプセストについて解析結果をまとめることになった。

大きくまとめてしまうと、本文には、この本が読める人への案内という部分と、15世紀の日記のようなものが書いてあることが分かった。西暦1430年と欄外にな


西暦1431年、男性側と女性側に別れて教会で歌を発表しあうクリスマスのイベントは今年で最後になると教会からお知らせがきたこと、これまではヒイラギとツタの歌を歌うのがやはり人気が高いこと。

今年は最後なので、女性側も新しい歌詞を考えているが、大人の男性も秘策を練っているという内容で、歌詞の検討をしていることが伺われる内容だった。

「ヒイラギとツタのコンテストは、残念ながら既存の研究がもう発表されていて、ペイガンではわりと知られた内容なんだよ」漆原先生は羊皮紙を丁寧にめくりながら説明してくれた。

「ユールに男性がヒイラギの歌を歌い、女性がツタの歌を歌う。ただ、もともと異教の習慣だったこともあって、キリスト教の賛美歌の中に取り入れられたり、消えていったりしたなかで、一番有名なのは、ヒイラギとツタの歌なんだ。


その日の夜、すみれは冬至祭(ユール)の支度をする夢の続きを見ていた。






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