アシュリー3
マーサおばさんは、オークションの結果を覆そうとしたことを丁寧に謝った。
そしてラエマ冬の書が仮に過去の魔女について語っていたとしても今の魔女の考え方が変わることはない、と話を締めくくった。
「そういえばアシュリーは魔女なの?」
「いや、そうするかどうか迷っているところ。魔女というかウイッカは、規則らしい規則はないけど...季節の違いがわかる場所で、教えてくれる先生がいたらいいかなと思ってマス。マーサも普段はイギリスだし」
てっきりアシュリーはウイッカだと思っていたけど..すみれも同じ様子だった。
「私、今日は魔女だというから、ちょっと警戒してたんだけど...ウイッカと異教のことが割と納得しました。クリスマスという言葉は使いますか?」
「日常生活では使うこともあるのだけど、ユール、冬至の祭、というわ。ヒイラギ飾ろう、というクリスマスソングの歌詞では今でもクリスマスキャロルとはいわず、ユールタイドキャロルという言葉が残っているわ」
すみれは続けて質問した。
「キリストがいなかった頃は何をお祝いしてたんですか?ヒイラギとツタ?」
「ヒイラギとツタはそれぞれ冬でも生命力を持っているから祀られたのだけれど...キリストの死と再生と同じで、赤い実に示される何かの死と再生を祝ったの」
アシュリーがすぐに「わかったなるほど!」とつぶやいた。
「赤い実...血?血液?」
「すみれ、毎年一回再生してるんだ。死と再生は比喩だ」
「すみれ、あなたは答えをしっているわ。冬至はどんな日だったかしら?」