表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

16/19

前世編/皇女と騎士の企み



 ◇



 〈北の皇女宮・エスピーナの寝室〉。


 「…なぜあの女がお父さまに呼ばれるの?

 ローアルとだって結局引き離されたし!

 納得いかないわ!

 ね、そうでしょ?フォンセ!

 おかげで決行が遅れてしまったわ!

 西の塔へ行ったら、あの子を部屋から呼び出して、フォンセに片付けさせるつもりだったのに!」


 「は!皇女様のいう通りでございます!」


 ガウンを着たエスピーナは、他の使用人を下がらせた後で、フォンセに不満気に吐き捨てた。


 「皇女様、心配はございません。

 皇帝陛下があの下賎な者を西の塔に帰し、部屋に戻ったところを狙いましょう。

 あのようなひ弱な者など、ほんの一太刀で息絶えるでしょう。」


 「そう?ええ、そうよね。さすがフォンセだわ。

 私の専属騎士。

 私だけに忠誠を誓った騎士。

 当初の残酷に殺すという予定は無くなってしまうけれど、目的は叶えられるわね。

 お前を信じているわ。」


 「は!」


 フォンセが腰に携えた剣の鞘を握って怪しく笑えば、エスピーナも同じように笑った。



 


 〈西棟、使用人室。深夜〉。


 腰に剣を携えたフォンセは、エスピーナの命令を遂行すべく使用人の宿舎に忍び込み、エステレラの部屋にあっけなく侵入した。


 エステレラは怒涛の一日の疲れのため、死んだように眠っていた。

 それを見たフォンセは声を出さず冷笑する。


 手にしている剣は普段皇室騎士団で使っているものとは違い、皇女から特別に賜った暗殺用の剣である。


 実はフォンセは皇女に仕えてからというもの、皇女の嫌いな者や邪魔な者たちを、こうやって何人も葬ってきた。


 フォンセは皇帝ではなく、エスピーナに心酔していた。

 だからエスピーナの願いなら何でも叶えてあげたいと考えていたのだ。


 「お前ごとき下賎な貧民が、皇女様の邪魔をするのが悪いんだ。」


 小さく呟き、フォンセは剣を静かにエステレラの真上に掲げる。

 そして目処めどをつけ、やや興奮気味にそれを振り下ろした——————。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ