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とわの理解者?!パパの隠れた本音

ついに窪中有紗(窪中グループ女帝)に歯向かうとわ。

意外なところから理解者が現れ戸惑いが生まれつつ…窪中グループの秘密のお世継ぎが過去にあって?!

私が食堂に行くとそれまで談笑していたママがぴたりと口をつぐんだ。

私は何食わぬ顔をして自分の席についた。

それがママに対する仕返しだから。

しばらくしてから、福田さん達が料理を運ぶ。

今日のディナーは鴨のコンフィとマッシュポテト、茹でたとうもろこしとシーザーサラダだった。

パパがフランス好きなヒントは食卓にもあるのかも。

私はショールを外し、鴨のコンフィを手早くカトラリーで切り口に入れた。

料理人さん達は本当にすごい。

コンフィは柔らかく、瑞々しさがありそれでいてコクを忘れない。

飲んだ事ないけどワインが欲しくなるってこんな感じなのかも。

「それで、、、とわはどうして髪を染めたの?」

大人同士で会話していれば良いのに、叔母さんの一言で全員の視線が私に向かう。

叔母さんの目には僅かばかり非難がこもっている。

「叔母様は、フランス王妃をご存知ですか?」

私はナプキンで口を拭うと毅然とした態度で答える。

麻里子叔母さんはママと同じで美しいだけでなんの取り柄もない。

当然だけど王妃の事も存じ上げてないはず。

「分からないわね、確か処刑された人じゃなかったかしら?学校で少し習ったわ」

得意げに話すその姿の滑稽な事といったら!

私は思わず笑い出しそうになる。

「ええ、そうですフランス革命で死刑になった王妃ですの。

でもなんで処刑されたかご存知ですか?」

ママは,黙ってワインを飲んでいた。

パパは麻里子叔母さんの旦那さんと話し込んでいる。

学のない麻里子叔母さんは目をちんぷんかんさせる。

「一般的な事ですわ、叔母様」

そこで私が王妃について語ろうとすると、ママが「おやめなさい!女子とあろうものが学をひけらかすものではありませんよ!」ワインの入ったグラスを置き、ママは立ち上がるとナプキンを椅子に叩きつけパパに向き直り

「貴方はとわを甘やかしすぎです、女とあろうものがつけ上がる事は許しません。

今後一切とわの教育に口を挟まないでください!とわ!来なさい!その穢らわしい髪を染め直すわよ!」

軽いヒステリックどころではなくディナーどころではなかった。

パパは唖然とママを見つめそして、グラスを置き部屋から出て行ってしまった。

叔母夫婦はオロオロしており、使用人達も同じだった。

「いやよ!!この髪は私の意思で染めて決めた事なの!もうママの言うことなんて聞きたくないわ!どうして分からないの!なんで自由にさせてくれないの!」

感情に任せて言葉を口にするのは初めてだった。

ママは唇をわなわなと震わせていた。

「この窪中家にそんな女は必要がないからよ」

静かに私に告げると、福田さんを呼び私を自室に追いやった。

自室に入るともう何度目かの涙が込み上げる。

ママには勝てない。

どうやっても。

「お嬢様…」

福田さんがハンカチを差し出してくれていた。

「ありがとう…ママの言う通りにしなきゃいけないのはどうしてなの?

女も男と肩を張って働けるはずよ…私は何も知らないお嬢様と思われるのが嫌だしフランスに行きたいわ」

私の泣き言に付き合うのはこれが二度目ではない。

ママと言い争う度に福田さんに泣きついてきた。

「旦那様と私はいつでもお嬢様の味方ですよ…それをお忘れになってはいけません」

そう言って福田さんは、ポケットから一冊の本を取り出した。

「私のパソコンから購入致しました、マリーアントワネット様の御本で御座います」

古びていて端もヨレヨレだけどしっかりと分厚い本だった。

フランス語で、「マリヤンヌの生涯」著者にマリヴォーと書いてある。

ずっと探していたその本はどのサイトも売り切れだったのに。

「マリーアントワネットの朗読係が読んでいたものだわ!」

私が声を上げると福田さんはしーっと指差しを唇に当てる。

その仕草の愛らしいこと。

「それからこれを」福田さんは今日のデザートだったボンボンを私に渡して微笑んでくれた。

私は思いがけない贈り物二つを受け取り涙がまた溢れていた。

福田さんがママなら良かったのに。

私は本とボンボンを机に置くと「ありがとう!大好きよ」そう言って福田さんを抱きしめた。

福田さんは私を抱きしめ返しながら「ほどほどになさって下さいね」と笑った。

窪中家グループは不動産を規模としたグループ。

更には、化粧品なども扱いその勢いはまるで日本を飲み込むように増している。

それに反比例して、ママの教育は当たりもきつい。

私が進学した大学は、もちろん歴史学科(西洋文化)だし私はマリーアントワネットの時代を選んでいる。

上智大学のキャンパスを初めて訪れた時の事はこの先も忘れられないだろう。

赤煉瓦で覆われた校舎には、緑豊かな木々が微風に揺れて凪いでいた。

異国風のその世界観には目を引くものがあった。

高校の時に、訪れその際私の心は決まってた。

上智大学に行こうと。

ママは教育には度を越したものはなくそこそこ頭の良い大学で気品があるならという理由で私の願いを受け入れた。

だが、専攻学科を告げた際には舌を巻く勢いで私を詰った。

ママからすれば適当な学科にしているものと思っていたらしい。

その時も私を守ってくれたのは福田さんだった。

「あの子が分からないわ…いつかは御曹司に嫁ぐのに」

ママの嘆きに福田さんは紅茶を淹れながら静かに説き伏せていて。

「お嬢様は颯斗様によく似ていらしているだけでございます。颯斗様もフランスに興味を持っていましたわ」

ママは福田さんの言葉に頭を振り「…ワインを」と告げて自室に下がった。

福田さんはママが颯斗お兄ちゃんの話を嫌うのを知っているのだ。

そしてお酒を飲んで忘れたがるのも。


福田幸子は分別がある人だと窪中家のメイド仲では思われている。

長年窪中家に仕え、最年長のメイドとして取り仕切ってきた。

だが最近では歳のせいか、はたまた初老に入りかけているせいなのかこれで自分の人生は良かったのかと悶々と考えて過ごす日が多くなってきた。

メイド最長ともなればやる仕事は他のメイドのシフト作成や、事務仕事が主なメインで窪中家に立ち寄る事もましてや若かりし頃の様に寝泊まりすることもない。

窪中家の門を叩いた頃は金もなく住む家もなかった。

上京したてで、文字通り貧乏子沢山であった福田の実家は常に金に飢えていた。

高校に行く資金もなく、義務教育を終えて幸子は家族の為に出稼ぎを決意したし、若い幸子は東京という名の町に憧れを抱いていたのも事実であり、広告で窪中家の募集を知り迷わず応募した。

幸子を指導したのは、嫁いできたばかりの有紗だった。

ここまで読んでくださりありがとうございます♪

次回も楽しみにして下さい!

良ければ感想などなどお願いします!

若梅詩子

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