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第八話 ツッパリはどの時代でもいる


 何とかお互いに誘いを成功させてWデート当日。

 ヤンの彼女も気になるし、先輩との仲も深めたい。


 上手くいと良いなぁ………


 ………


「犯罪者の娘と遊ぶなんて絶対嫌だったけど、慎也くんがどうしてもっていつから来たのに……ほんと想像通りいけ好かない女ですね。」


「私だってワンちゃんの娘となんて遊びたくなかったけど、せっかくのデートの誘いだったから来たのに……要君、帰ってもいいかな?」


 何でこうなった????


 初めは上手くいってたはずだったのに……



 事の始まりはこうだ。

 偶然ヤクザとすれ違った時、ヤンの彼女の永井梨花さんが「まだここらへんって社会のゴミがいるんですね。」と一言。

 それに対して赤羽先輩が突っかかった。


「人にゴミっていうのはどうなんですか?」


「ついうっかり、すみません。別にあなたに言ったわけではないですから。」


 こんな会話からどんどんバチバチになっていき、現在。


 でも、永井さんが悪いってわけではない。

 社会的にはヤクザは印象は悪いし、彼女は警察の娘だ。

 そういう考えも頷ける。

 実際、僕にはかなり親切にしてくれてるし、ヤンともかなり仲が良さそうだ。


 しかし、どうしたものか……


「なぁ、ヤン。どうするよ?女子同士の喧嘩なんて俺、止め方わかんないぜ?」


「それはそうだけど……とりあえず、お互いなだめてみよう。」


 それもそうだな。


 ヤンの言葉に従って、俺は先輩をなだめる。

 とにかく落ち着くよう説得。

 幸いにも先輩はすぐに納めてくれた。


 でも、怒ってる先輩も可愛いかったな。


「ごめんね、要君。せっかく誘ってもらったのに……」

 

「いえ、全然。それよりも先輩の気持ちも考えずに誘ってすみません。」


「そんな!私は嬉しかったんだよ。あの子が居てもお釣りがくるくらい。でもちょっとだけムカついてるのも本音だけど…」


 そう言ってたものの、先輩の顔は全く笑ってない。


 そんな顔も好きだけどね。

 ってか世界一顔が可愛いわけだからどんな顔をしてても可愛んだけど……



 まぁ先輩も落ち着いたみたいだし大丈夫だろう。


 さて、ヤンの方は……


 そう思って、俺がヤンと永井さんの二人に目をやったその時。



「ねぇちゃん遊ばない??」


 いかにもな言葉で、いかなにもな輩たちに永井さんが絡まれてた。

 あんなゴリゴリなやつ今でもいんのかよ。

 どっかのリベンジャーズよりもゴリゴリじゃねぇか。


「なんかようすっか?」

 

 ヤンは彼女の間に入り、守ろうとする。

 流石ヤン、かっこいいぜ。


 しかし、輩の一人がヤンの胸ぐらを掴んで脅す。


 更にはそれに対して、永井さんが


「ちょっと、いい加減にしなさいよ。言っとくけど、私の父さん県本部長だからあんたたちなんか……」


 と、輩たちに言った。

 ズバッと言う子だこと。

 そういうとこ尊敬できるね。


 しかし、


「サツがなんだよ。」


 輩共には効果なし。

 残念ながら神経を逆なですることとなる。


 その結果、永井さんは突き飛ばされてしまった。


「きゃぁーー!!」


 流石にまずい!!


 俺は、二人を助けるために駆け寄ろうとする。

 しかし、先輩が止めてきた。


「先輩!いくら、永井さんにムカついているからって助けないわけには……」


「あのね、要君は私のこと見くびってるのかな?私はそんなちっちゃい女じゃないよ?」


 そう言いながら先輩は輩の方に向かっていく。


 なにそれ、かっこいい惚れ直しちゃう。

 でも危険なことはしてほしくない。


「先輩!!!」


「まぁ見ててって……」


 先輩に気づいた輩共は


「何、お前も遊んでほしいわけ?」


 と下品な言葉をかける。


 先輩になんて口を!!!


 もう、俺の我慢も限界です。


 格闘技経験は無いが一応、ケン◯チとはじめの◯歩は読んだことはある。


 少しは力に!!!

 行くぞ!!!


「す、すみません!!!!!」


 俺が拳を掲げ、駆け寄ったと同時に輩共は先輩に土下座をした。


「もう二度と悪さはしないように!!さぁどっか行ってくれる?」


 先輩の言葉に輩共は走り出し、どっかに消えていった。


 えっ?一体何が??


 俺とヤンと永井さんは何が起きたか全くわからなかった。

 でも、先輩のおかげで助かったのは確かだ。


「赤羽先輩。ありがとうございます……梨花!!!」


 ヤンは、先輩にお礼を言う。

 そして、永井さんにもお礼をいうように促した。


「……ありがとう、赤羽さん。今回は助かったわ。」


 さっきまでのピリピリ具合が嘘のように素直な態度。

 きっとヤンはこういうところに惚れたに違いない。

 知らんけど……


「別にいいですよ。私もこれをあの人達に見せただけですから。」


 先輩はそう言って赤羽組と書かれた金バッチを見せてくる。

 

 それって…あれじゃん。

 暗殺◯室で見たやつ。

 ヤクザのバッチ。


「ああ言う輩は何も、警察の目が怖くて悪さをしないだけじゃないんです。パパ見たいなヤクザが目を利かせたるからこそ、治安が守られてることもあるんですよ。」


 そういう世界もあるよね。


 ってか先輩超クール。

 好きが加速してやばいんですけど。

 加速装置顔負けの瞬間速度だよ。

 

 まぁ俺の愛の波動は置いといて……


 二人が仲直りできたようで良かったよ。

 ほんと……



 次回、Wデート本番


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