第五話 時代はサッカー、時代は俯瞰です
「なぁ、ヤン。どうやったら赤羽先輩と仲良くで来ると思う?」
「そんなこと知るか!!」
冷たい。
最近冷たいよ、ヤン。
転校してきたときはめっちゃ優しかったのに。
「そもそもお前、赤羽先輩のお父さんからは友達としか認められてなんだろ。」
「それはそうだけど、付き合う以前に俺のこと好きになってほしいわけ。」
そりゃぁ、好きな人に好きになってほしいのは当たり前である。
しかし、俺にそんな魅力があるのか?
いや、あるね。
サッカー得意だし……
「サッカーだ!!!」
「なんだよ、突然。」
「俺、サッカー部、入る、俺、モテモテ、赤羽先輩、俺の事、好きになる。」
「なんでカタゴト??」
「とにかく、俺はサッカー部に入るぜ。今の時代サッカー人気あるだろ?アオ◯シにブルー◯ック。時代は俯瞰だぜ。」
そうだよ。
部活入ってかっこいいところ見せれば先輩も落ちるに決まってる、そうに違いない。
「確かにお前、転校してきた時サッカー得意とか言ってたな。アメリカではチームとかクラブ入ってたのか?」
「いやいや、俺ってばストリートだから。入ってはなかったけど、実力はあるはずだから。」
「その自信はどこからか出てくるんだよ。」
自信しか無いね。
とにかく善は急げ、早速見学に行こう。
「ってことで、体験入部の田波要くんだ。まだ、入部するとは決めてないらしいが、みんな仲良くしてやってくれ。」
まずは体験入部。
うちの高校の実力は県トップ8の実績。
結構強いよね。
でも、俺にかかれば……
「ぜぇ、ぜぇ。」
「大丈夫か?」
「えぇ、何とか。」
全然無理、こいつら体力ありすぎだろ。
とにかくドリブルで見せてやるぜ。
「おっと。」
すぐにボールを取られてしまった。
「筋は悪くないぜ。でもうちでやってかどうかは……」
全然通用し無い。
なぜこうなった。
俺は、小学校の頃からイナズマ◯レブンの円堂◯に憧れやってきたのに……
円◯守……?
そうでした。
俺、キーパーでした。
次はキーパーをしてみる。
「やるな、転校生。」
華麗にシュートを止める俺。
最高にクール。
さっきのミスを取り返すように実力を見せつける。
その後も、キーパーとして練習に参加してシュートを止めまくった。
あれ、本来のキーパーの人は?
「このチームのキーパーの人は今どこにいるんですか?」
「ちょうど、うちのキーパーがケガしてね。」
なるほど、怪我してるのか。
「で、次の試合観どうしようか迷ってたとこなんだよ。だからさお前、良いからでてくんね。」
急すぎだろ!!
なんで都合良くキーパー怪我してて試合まであるんだよ。
俺ってば主人公かなんかですか?
でも試合に出れるなら望むとこだ。
「ぜひ!!!」
俺は元気よく返事をする。
とにかく、やったぜ!
でもなんで、サッカー部に来たんだっけ?
そう、赤羽先輩からモテるため。
残念ながらキーパーってあんまモテないんだよね。
まぁいっか。
とりあえず先輩に試合観に来てもらおう。
次回、ゴッドハ◯ド!!!!
これが超◯元サッカーだ!!!