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第四話 漫画家で組長って新しいよね


「なんでそうなるんですか!!!」


 思わずツッコんでしまった。


「一応ワシ、副業で漫画家やらせてもらってます。友達として認めるだけなら副業のほうで、彼氏として認めるなら本業の方でってわけじゃ。」


 漫画家って、今のヤクザなんでもありかよ。

 それに道理で先輩も漫画詳しいわけだ……


 ん?彼氏と認めるには本業の方で…

 怖すぎるよ。

 考えないようにしとこ。


「あの……つかぬこと伺いますが、どんな漫画を描いているんですか?」


 別にわかるけど、どうせ極道漫画でしょ。

 いやもしかして、ギャップで少女漫画とか。


「料理漫画、描かせてもらってます。」


 "料理かよ!!!"


 料理って……

 ギャップにも程がある。


「題名とか聞いても、良いですか?」


「いろいろあるが……有名どころで言うと、ミスター味っ濃とかじゃな。」


「パクリ!!しかも味っ濃って、田舎のおばあちゃんでも主人公なんですか!!!」


「後は、食いしん坊とか……」


「もはや、食ってるだけ!!せめて料理、作ってくださいよ。」


「そして代表作は、食戟のゾーマだ。」


「いや、混ざってるよ!!なんでドラクエ2のラスボスが食戟してるんすか!!」


 めっちゃノリノリでツッコミしちゃったよ。

 

「すみません。つい、失礼なツッコミをしてしまって……」


「まぁ、ボケだし。それに多少は漫画のこと知ってるようだな。」


 ボケだったのかよ……


「今から漫画の知識を問うために簡単なクイズを出す。これで及第点だったら友達としては認めてやる。」


 そんなんで、認めて良いのかよ。

 まぁ友達なんて誰かに認めてもらうものじゃないしね。


「ではクイズの方行くぞ!!!日本の3本指に入る漫画と言えば……ちなみにこれはワシの主観じゃ。」


 難しすぎたろ。

 主観って…

 料理漫画とか極道漫画とか入ってたらどうしょうもない。

 まぁでも


「"ワンピ◯ス"、"名探偵コ◯ン"、"ドラゴンボ◯ル"。」


 これが王道だろう。


「残念。正解はご◯せん、美味し◯ぼ、サザ◯さんじゃ。」


 そうはならんだろ。

 いや、その3作とも面白いけど……

 しかも、サザエさんは謎すぎる。


「残念、いちかちゃんの友達としてはまだまだ認められんのぉ。」


「次の問題、お願いします。」


 いや、諦めるわけにはいかない。


「ワシが好きなジョジ◯のキャラはなんじゃ??」


 知らねぇよ!!

 もはや漫画知識関係ねぇよ。

 でも傾向的には、料理と極道。

 4部のト◯オか5部のギャングの誰かだろう。


「答えは、ト◯オです!!!」


「やるなぁ、正解じゃ。」


 当たったよ。

 ト◯オ好きなやつそうそう居ないと思うけど。


「次の……」


 赤羽組長が次の問題に行こうとした時、部屋の外から大きな声が聞こえてきた。


「組長!!!カチコミです。」


 カチコミ!!!!!!

 いきなりヤクザすぎる展開。

 怖すぎる。


 すると、赤羽組長が真剣な表情で俺に話しかけてくる。


「おいおどれ、名前は?」


「田波要です。」


「そうか、田波。一応、おどれがいちかちゃんの友達になることは認めてやる……しかし、それ以上は絶対許さないからな!!何かあったら東京湾に沈めてやるかんな。」


 そう言って赤羽組長は部屋から飛び出していった。

 東京湾に沈めるとか簡単に言わないでください。

 

 カチコミとか体験したの初めてだよ。

 まぁ、誰だってそうだろうけど……


 とにかく、どうしたら良いのかわからず放心していた俺。

 だが、部屋に来た先輩が俺を門の前まで送ってくれた。


 後ろを振り返ってみると家から「どこの組のもんじゃ!!!」、「集英◯じゃ、ボケェ!!」って聞こえてくる。


 カチコミって、編集者かよ。

 拍子抜けです。

 っか編集者にもヤクザ混じってるし。


 俺は多少呆れていたのだが、家の馬鹿騒ぎを他所に先輩は少し恥ずかしそうに俺に話しかけてくる。


「とりあえず友達からってことだよね。」


 え?なにそれ……


 可愛すぎんだろぉぉぉぉ!!!!!!


 何はともあれ、無事にヤクザの家から生きて帰ることができました。



 次回、サッカー始めました

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