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第三話 ヤクザが怖くて恋ができるか!


「ここが家だよ。」


 放課後、先輩に連れられて見事先輩の家に。

 目の前には、大きな門がある。

 流石ヤクザの家、想像通りで……


「この門を押して開けれればお父様に認められとか。」


「そんな、ゾルディック家みたいなことはないから。普通に門の横にある小さい扉から入ればいいよ。」


「それじゃ、死んじゃいますよ。クソでっかい犬に食われて、あの感情のない奴。」


「いや、ミケなんていないから。」


 おっと、それなら安心。

 しかし、先輩…漫画詳しいのね。

 あの化物、ミケって名前だったんだ。


 ドアをくぐるとそこには庭と坊主の強面の顔が複数広がっており、歩くたびに俺は睨まれる。


 ヤクザやっぱり怖いです。

 普通に漏らしそう。


 家の中に入り、客間のようなことろにつく。

 おしゃれな和風の部屋で掛け軸なんかが並んでいる。


「ここで待ってて。パパ呼んでくるから。」


 そう言って、先輩はどこかに消えてった。

 一人にしないで……心細いから。


 それにパパ呼んでくるって。

 まだ気持ちの整理ついてないです。

 あと、どうかせめて優しそうな顔でお願いします。

 インテリ系とかね。


 しばらく経つと、先輩が戻ってきた。

 後ろに恐ろしい何かを連れて。

 スキンヘッドで入れ墨と傷だらけのでかい男。

 まさか、これがお父様ですか。

 何もいえねぇ……


「わっぱ、おどれがうちの娘に手出そうとした野郎か?」


 声も言葉遣いも怖いよ。


 もう、チビッちゃうから。

 泣いちゃうから。


「とにかく、座れや。」


 そう言われて俺は、座布団の上に座る。

 もちろん、正座で。


「それで、おどれは何しに来たんや?」


 だから怖いって!!


「あ、あの先輩がパパの認めた相手以外と、付き合えないとか言ってて、俺のことを認めてほしいのと、それ以上に束縛とかは先輩のためにも良くないって言いたくて……」


 言ってやりました。

 しかし、俺の言葉に赤羽組長の表情が曇る。

 今にもブチギレそうで……


 あ、これやばいやつ。

 

「だってぇーーー、娘可愛いんだもん!!彼氏とか作って欲しくないし!!!どこの馬の骨とも知らんやつにあげれるわけ無いじゃん。」

 

 なんとも拍子抜けである。


「ちょっとパパ、人の前でぐずるのは辞めてよね。」


「でもさぁ、いちかちゃん。こいつと付き合おうとしてるわけ?パパ認めないからね。」


 あれ?父親が怖くて従ってるはず…?


「あの……先輩。お父様が怖くて言いなりになってるとかしゃ……?」


「いや、パパはめっちゃ優しいし、そんなことはないけど。」


「でも、さっき震えてたし、表情も暗かったと思うんだけど。」


「あれは、前にパパと喧嘩したとき、冗談で男作って出てくからって言ったら泣きながらしがみついてきて。そのこと思い出して笑いこらえてただけ。」


 なんですか、それは?

 俺のドキドキを返してください。


 でも良かった。優しそうな父親で。


「いちかちゃん。こいつと話あるからちょっと席外しててね。」


「パパ……くれぐれも失礼のないようにね。」


「心配しなくても、もちろんわかってるって。」


 そんな会話を交わして、先輩は部屋から出ていった。

 ヤクザの組長と二人っきり。

 でもこの様子じゃ心配いらないよね。


「っで?おどれはいちかちゃんとどこまでいっとんのや?」


 さっきと雰囲気違いません?

 今にも俺を殺しそうな勢いなんですけど。


「いや、今日会ったばかりで一目惚れで告白させてもらいました。まぁ、OKはもらってないんですけど……」


「なるほどな、それでワシに一言いいたくてここまで来るとは…なかなか漢磨いてるようやのう。」


 漢磨いてるって、産まれて初めて言われたよ!!


「まぁ…しかし彼氏になるなんてのは絶対許さんが、ここまで来たその漢に免じて友達としてなら、条件さえ満たせば許してやる。」


 友達になるのにも許可いるんですか。

 

「で、その条件とは??」


 俺の言葉に赤羽組長は席を立ち、後ろのクローゼットを開ける。

 まさか、チャカとかドスとか入ってるんですか??

 それで度胸試しとか??


 そんな、恐怖とは裏腹にクローゼットから出てきたのは漫画の山。


「おどれのマンガ知識がどれくらいのもんか見させてもらおう。」


 なんでそうなんだよ!!!!



 次回、漫画家組長

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