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第十五話 ヤクザの娘が可愛すぎる


 俺と先輩は、外を歩くも暫くは無言の状態が続いた。

 そんな気まずさからなのか、普段は陽気な俺だが少しマイナスな発言をすることとなる。


「先輩……、別に俺は先輩に気持ちを答えてほしい何て思ってないです。いや、少しは思っていますけど、ただ今は先輩を好きという気持ちと可愛いと思う気持ちでいっぱいですから。」


 もちろん、先輩と付き合えたら嬉しいが今の関係でも俺は十分満足してしまっている。

 なんとも男らしくないが……


「そう思ってくれてるのは嬉しいけど、やっぱりあの子の言う通り家を理由に要くんの気持ちから逃げるわけにはいかないよ……。」


 先輩はそう言い、また何かを考え始め沈黙が流れる。


 先輩の家の事は重々承知だ。

 ヤクザの家系で一人娘。

 俺が先輩と付き合い、更には結婚となると婿になることになるだろう。

 でも、先輩に対しての気持ちだけで乗り越えられるはずだ。


 俺は……そう思い……覚悟を決めた。


「先輩……俺、腹くくります。ヤクザだって、マフィアだってなんだってなってみせます。俺の将来なんて気にしなくていいです。それでも気持ちに答えられないというのなら、俺は今ここで先輩を諦めます。」


 それを聞いた先輩は少し戸惑った後、申し訳なさそうな顔をしつつも覚悟を決めたような顔を見せた。


(振られるのだろうか……)


「要くん、君の気持ちはもちろんうれしいし、そこまで決心してくれたのも嬉しい……」


(…………)


「でも、家系の問題は私の問題だし、それを背負わせることはできないから。」


(…………)


「自分の気持ちに素直になれば君のことを好きだって気持ちしかないことが分かったら、私も覚悟を決めるよ。君がどんな道を進もうと私はそれを支えるし、パパに嫌われようとも君についてくよ。」


(…………)


「だから、私と付き合ってくれる??」


 考えてもいなかった言葉が俺に降りかかる。

 そして、言葉をかみしめうれしさがこみ上げてきた。


「もちろんです!!!」


 俺はそう言って先輩に思わず抱きついた。


「絶対に幸せにしますから。」


「ちょっと……」


 先輩は困った顔をした後、あきらめたかのように俺の身体を強く抱きしめた。




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

〜3年後〜


 先輩のお父さんは俺たちに猛反対。

 逃げるように2人で暮らし始めた。

 先輩はこのままでいいって言ってるけど、良くないに決まっている。


 なんとかして俺を認めてもらわないと………


 でも今は先輩との幸せを噛み締めながら生活を続ける。


 そうだ、今度プロポーズをする前に一度、先輩の実家に俺一人で行こう。

 

 娘さんを僕にくださいって。


 ヤクザの娘が可愛すぎる完

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