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第十二話 うなじに興奮しない男はノー


 デート……それは幸せの象徴。

 デート……それは天使が隣にいるということ。



「幸せだぁぁぁぁ!!!!」


「ちょっと、要くん。何叫んでるの?」


「すみません。心の声が漏れてしまって。」


 仕方が無いじゃない。

 先輩とデート、それも前みたいなWデートじゃなくて2人っきりの。


「それで、先輩は何かほしいものとかあります?先輩が欲しいものをプレゼントしたいんで。」


「君が選んでくれたものなら何でもいいんだけど……」


 何それ、天使かよ。

 でも、俺ってばセンス無いんだよね。

 女性を見る目のセンスに全振りしちゃってるから。


「俺、センス無いですよ。」


「そんな事、重要じゃないよ?」


「それでも、やっぱりどういう物が欲しいとか教えてもらえませんか?」


 流石の俺でもヒントさえ貰えれば選ぶことぐらいできる。


「それなら……普段から身につけられるものが良いかな?」


「わかりました。先輩ってアクセサリーとかに興味あるんですね。」


「別にそういうわけではないけど……もう言わせないでよ。」


 少し、失礼なことを言ってしまったかな。

 反省、反省。


 先輩は身につけられるものが良いと言ったことだし、俺はアクセサリーショップに向かった。

 先輩から貰ったプレゼントもアクセサリーだったし、お返しとしてはとてもいいだろう。



 先輩とのイチャイチャの時間も束の間、俺たちはアクセサリーショップに着いた。


 しかし、女性にどのようなプレゼントを送れば良いのだろうか。

 俺が悩んでいると、店員が話しかけてきた。


「彼女さんへのプレゼントをお探しですか?」


 俺と先輩を見てそう言っていた。


 彼女って、やっぱそう見えちゃうかな。


「まだ、彼女ってわけではないんですけど。そうなれたら良いなって。」


「ちょっと……」


 調子に乗りました。

 すみません。


「まぁ、それならとびっきりのプレゼントを選ばないとですね。」


 そうとも、そうとも。

 この店員はわかってらっしゃる。


「こちらなんてどうでしょうか?」


 店員は2万円ほどのアクセサリーを紹介してきた。


 2万!!

 そこまでバイトに入っていない俺には大金である。

 しかし、先輩のためならば2万円くらい安いものだ。


「要くん……あんまり無理しないでね。さっきも言った通り、君が選んでくれたものなら何でも嬉しいから。」


 そんなん言われたら俺も引き下がれ無いですとも。

 2万なんて先輩への愛に比べたら霞みまくりですから。


「これにします。」


 俺は、店員に紹介してもらったアクセサリーに決めた。

 ハートのついたネックレスでおしゃれなチェーンのものだった。


 これは先輩に絶対に似合う……

 まぁ先輩になら何でも似合うんだけど。



 なにはともあれ、俺は無事先輩へのプレゼントをゲット。

 店を出てすぐに先輩に渡した。


 ここまでは予想通りの望んでいた展開。

 上手く行ってよかったよ。


 そして、ここからは予想外の展開。

 俺へのご褒美タイムと言っていいだろう。


 なんとここで


「ネックレスつけてほしいんだけど良いかな?」


 なんて甘い言葉をゲット。


 紳士な俺は先輩のうなじに興奮せず、ネックレスを付けた。


 きっとこれで先輩との仲はぐんと縮まったに違いない。


 おっと、寝る前に先輩のうなじを思い出してしまったのは内緒だぜ。


 次回、モテる男は辛いぜ。

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