ゴールデンウィーク
中学生活1ヶ月過ごして話しかけてくれる人もまあまあ(ほとんど勉強のことだけど)出来て順調に中学生活に慣れて行った。中学校入ってすぐ実力テストが行われたが俺はもちろん全教科満点という成績をたたき出していた。まあ元高校生がこんな問題に手古摺ることは無かった。まあそれは光も同じなのでこんなん楽勝と言っていた。
それからというもの、毎日のように分からない所があれば聞きに来る同級生が増えた。それは光のところにも流れていた。家でも勉強、もちろん演技やボイトレ、護身術なども休むことなく時間がある時は毎日のように遊ぶ時間をけずってまで頑張った。その影響で土日に熱も出したことはあるけど直ぐに治った。熱出る度に光がやってきて世話してくれたこともありがたかった。前世での世間話で盛り上がったこともあった。その時間は本当に楽しかった。それからはあっという間にゴールデンウィークを迎えた。お父さん悠平の話では久しぶりにお屋敷に戻ると聞かされた。小学校の時もゴールデンウィークで受かった祝いとしてパーティーが開催されていた。おじさんもおじいさんもお父さんも娘にはつくづく甘いと思った。おじさん自身も結婚はしているものの子供ができないでいた。悠平の妹は結婚をして子供もいるということなので俺からすると従兄弟に当たる。そのお披露目も兼ねてのパーティーもあるらしい。
「準備は出来たか?」
悠平がそのように言う。実は出発時間から1時間くらいオーバーしていたので少し焦り気味だった。
原因は俺の寝坊だ。前日は遅くまでゴールデンウィークの課題をやっていたためだ。意外にも多く出ていたのでやるのにも時間がかかっていた。
「もうすぐ準備できるから待ってて!」
俺が言うと悠平はなるべく早くしろよとだけ言って去っていった。いや、勝手に娘の部屋入って着替え覗くなと思ったがそれは俺が悪かったので水に流した。いやまあ心は男なので恥ずかしくは…いや前世の親友に見られたのだから少しは恥ずかしさもあったがそれを抜きにしても着替えを見に来るとは思わなかった。
アクシデントもあったがいつも通りリムジンに乗って大きなお屋敷の前に着く。
屋敷に着くといつも通り執事の人が扉を開けて
「お帰りなさいませ、おぼっちゃまお嬢様」
と言った。セキュリティも万全なようだ。相変わらずデカイなと思いながらも自分の第2の部屋に行った。さすがに昔と同じようにお母さんのユリアと同じ部屋に行くというのもこの歳だと反抗心も湧く。だから一人部屋にしてもらった。部屋に着くとパーティー用のドレスが置いてあってまたこれ着るのかと思いつつ諦めてベッドに寝転がった。パーティー時間まではしばらくあるため大きなベッドで時間を潰すことにした。
今の時刻は13時でパーティー開始が17時なので時間はまだまだあったので少しでも学ぶため勉強をした。
それにしても俺勉強ばかりしてるような……まあ細かいことは気にしないようにしよう。
勉強に集中できたこともあってか時刻は16時を回っていた。
「16時も回った事だしそろそろ着替えるか…」
誰にも聞こえないようにつぶや……いつの間にか妹の優奈がベッドで寝転がっていた。
「起きろ〜そろそろ着替えないとまずいだろ!」
「うーんあと5分寝かせて」
こりゃ優奈の専属のメイドさんも大変だなと思いつつ本気で着替えなきゃまずいので叩き起すことにした。
「お姉ちゃんのいじわる!」
「はいはい部屋まで案内して着替えさせてあげるからそれで許してね〜」
「それなら、うん。許す」
お姉ちゃんっ子も困ったものだと思いつつも部屋まで案内して着替えを手伝う。俺はもう着替え終わっていたあとなので何ともなかった。
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(前世での光との出会い)
光(前世では別の名前だったが)と俺は前世では幼稚園から知り合いだったが話し始めたのは中学に入ってからだった。もちろん小学生の時に何度か話しかけようとも思ったがきっかけがなかった。
俺は中学の時サッカー部に入っていてその日はちょうど自主練だったためやることがほとんどなかった。そんな時にたまたま図書室によった時光と出会った。とはいえ前世での光はどちらかと言うと明るいと言うより少し暗いめの読書女子って感じだった。小学生の時とは打って変わって光は女友達と遊ぶことも減っていたため話しかけやすくはなっていた。今世では色々世話を焼いたり話したりしてくれるけど前世ではあまり笑わないようなそんな子だった。
「よう。何見てんの?」
俺から話しかけた。
「小説、そんなことより悠里くんは何しにここに来たの?」
「俺はサッカー少しでも上手くなりたいからテクニック集の本」
「へぇ〜。サッカー部頑張ってるんだ」
「俺の事眼中に無いと思っていたのに知ってたんだな」
「そりゃ幼稚園から同じだから名前くらい走ってるでしょ」
馬鹿なの?っと言う目線でこちらを睨みつけてきた。
「そういうお前はなんでこんなところで1人本読んでんの?友達は?」
「友達なんて居ないよ」
悲しそうな顔をして平然と言ってきた。
「なら俺がお前と友達になろうぜ」
俺はほんとに何言ってんだろ。と心の中で思った。案の定何言ってんだこいつっていう目で睨みつけられた。
「わ、悪い今のは忘れてくれ」
これが前世での光との出会いだった。
それからはたまに図書室で少しずつ話すようになり仲良くなっていき、たまに笑うようになってそれから2年、中学3年になった頃にはすごく好きになっていた。これが俺の初恋で実らなかった苦い思い出だ。まあ告白なんてできなかったのが本音だが、楽しい思い出は沢山作れたと思う。
こんばんは!久しぶりです!前世での光(初恋)相手との出会いandお屋敷での1幕です!次は第2弾!色んなキャラが出てくるのでお楽しみに!!それにしても設定盛りすぎていて自分でもよく分からなくなっている。いつもいいねくれる方ほんとにありがとうございます!おかげで励みになっています。今回の話も良かったと思う人いいねレビュー感想☆5お待ちしてます!では次の話お楽しみに!