旅の人
男は旅する
何処へゆくのかも
何のためにゆくのかもわからずに
男は旅する
道なき道をゆく
荒れ果てたあの荒野を目ざす旅路
青年は旅の人
想い出は遠くに忘れてきた
青年は旅の人
憶えてるのは昨日歩いた道だけ
ああ……
百重に重なる骸の瓦礫
今は気づかぬフリをしよう……おお……
男は旅する
朝には歩を休め
夜には再び歩きだす旅路
青年は旅の人
夢はあるけれど
希望は持ち合わせない
青年は旅の人
失望はするけれど
絶望にはまだ早い
ああ……
百重に連なる骸の礎
今は見て見ぬフリをしよう……おお……
「彼」は「彼」であり、この宇宙の「全て」であり、「一部」である。
「彼」は「彼」であり、この宇宙の「一部」であり、「全て」である。
ああ……
百重に重なる骸の瓦礫
今は気づかぬフリをしよう
ああ……
百重に連なる骸の礎
今は見て見ぬフリをしよう
それでも、いつか辿り着けたなら、すこしだけ笑ってみよう……
おお…………