表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
鳥籠の中で  作者: 蒼井 弥
9/9

西日に染まる

今回のお題は、「相談相手×助手席×赤面」です。

最初は告白のイメージでしたけど違う話になっちゃいました。

「しかしこういう時は普通お前が運転するものじゃないのかい。」

 余りに話し始めない助手席に呆れながら訊ねる。聞いてもらいたいことがあるから少しドライブしないかと切り出してきたのは、娘だった。妻が私には何も聞くなと少し微笑んでいたからなんとなく話は予想している。

「これは月並みかもしれないんだけどな。お前が小さい頃はそれはそれは懐いてくれなくてな。確かにお父さんはお前の起きる前に仕事へ出て寝た後に帰ってきてたから仕方ないのかもしれないけどな。

「休日は出来るだけ遊んだし行事ごともなるべく欠かさないようにしてきて。そういえば好きなものをたくさん買ってやろうとしてお母さんには散々怒られたよ。

「お前が大きくなってからはお父さんも少し余裕が出て来たが、家ではあんまり学校の話とかは聞かなかったな。いやお父さんの方がお前との話し方を忘れてしまったのかもしれないな。そこまで仕事一筋で生きていたつもりもないけど、世間的に見ても家族の目で見ても仕事一筋だったのかもな。」

 そんな話をしながらも娘からは何も返ってこない。ふと信号待ちで左を向くと、西日がひどく濃く顔を照らして表情がよく見えない。一体彼女はどんな気持ちでこの話を聞いているんだろうか。

「それでもお父さんはいままでもこれからもいつだってどこへ行ったってお前のことをずっと愛しているよ。」

 普段なら言わないことだ。ここまで言って全く違う話だったらどうしよう、と心ならず思ってしまう。少し、いやかなり恥ずかしくなってきた。なぁ、と声を掛けようとすると娘が「お父さん。」と大きな声でこちらを向く。ちらっと見ると、随分と赤く染まって少し潤んだ娘の瞳が見える。私の顔もきっと西日に染まっているのだろう。そろそろ車も止めねばなるまい。

私、車の免許も持ってないし子供もいないので全部想像です。

心境とか何にもあってないかもしれないです。

まぁでもお話なので。でも娘の居る父親の思考はトレースできてると嬉しいです。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ