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鳥籠の中で  作者: 蒼井 弥
8/9

23時27分

今回のお題は。「後輩×片思い×駅」です。

こういうのは筆がのるな、と思います。良いのか悪いのか。

 23時27分。これが今のところ一番あの人に会える時間だ。なんたってこんな時間に、なんて以前の私ならきっと思っていただろう。それでも今は毎日のこの時間だけが日々の私の糧になっている。なんて少し大げさなんだけど。

 しかしこの季節のホームはまだまだ吹き抜ける風が冷たい。自販機で買ったコーンスープを片手にベンチに座ると、手の先は暖かいのにお尻が冷たい。こういうちょっとした無駄遣いが後に響くのだ。でもこの温もりが恋しくなる時もある。

 終電なんてのは意外と人が少ない。どっちかって言うと始発の方が多いくらいだ。今もホームで待ってるのは比較的まともな酔っぱらいと私だけ。やばい奴はそもそもここに間に合わない。でもこの電車は終電じゃなくて、最後の直通電車だから車内は比較的混んでいる。

 いつも通り耳はイヤホンで塞いで、下の方を眺める。階段から一番近いここなら、上がってくれば絶対に判るのだ。先輩は必ずこちら側に上ってくる。

 先輩は部活の同じだっただけの人だ。大きな部活じゃなかったから比較的話してたけど2つだったしそこまで親密でもなかったかもしれない。それでも学科は同じだったし話してた方、と思いたい。ほんとは同じ研究室が良かったけど私の学力じゃ無理だった。

 毎日同じ棟に通っているはずなのに会わない。学食でもすれ違いもしない。先輩は朝もお昼も帰りも遅いのだ。でもこの時間だけは比較的守る。あの人は少しでも楽したいのだ。

 これは私自身が4年生になった時に気付いたこと。これのせいで教授には期待されるし、なんだか違う楽しみにも目覚めるし私の人生はすっかり変わってしまった。

 先輩はこの先どうするだろうか。今日こそ会えたら聞いてみよう。電車が来るまであと3分。階段からはぼさぼさの頭が見え始めた。

大学の時の思い出が込み込みです。

これで帰ると日付変わるんですけどたまに乗ってましたね。

実際この時間だけは同期との遭遇率が高かった。

といっても少ない思い出なんですけどね…。

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