さよなら葦花町 5
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「へえ嘘を見抜く能力ですか。それは知りませんでした」
「やだ明美ちゃん、乙女の秘密をバラさないでよ」
乙女っていう年齢じゃないでしょうに、と。
そんなツッコミは控えておく。
「じゃあ捕らえられていたときに、明美を信じろって言ったのは……」
「明美ちゃんが今まで私たちに嘘をついたことなんてなかったって知っていたからね。明美ちゃんが監視役になっていたとは知らなかったけど」
「敵の本拠地とかどの廊下からあの地下室へ行くのかわかったのも……」
「私の能力を使って尋問したのよ。地下室に行くにはあの扉から行くの? それともあの扉? ってね」
地道な作業だ……。
「まあそういうことで私たち全員が能力に目覚めたというわけね。そのあとはもういいでしょ? あなたたちは記憶を失った、そして私だけ失わなかった。それだけのことよ」
「……心を失ったっていうのは?」
「あんなのただの戯言よ。人の心は奪えるものではないわ」
明美が手元の紙を皆に配る。
「ここに皆の能力が詳しく書いてあるレポートがあるわ。全員分あるようだから確認してみたら? 自分の知らなかったこともあるかもしれないわよーー。着いたようね」
私たちの目の前には大きな水が広がっていた。
「これが琵琶湖よ。日本の滋賀県にある日本で最も大きな湖。その中心にこの葦花町はポツンと存在しているの」
「へえー、これは向こう岸が見えませんねえ。明美さん、どうやってこの町から脱出するんですか?」
スッと明美がソラを指差した。
「……ワタシですか?」
「あなたの能力でこの町を従わせればいいのよ」
明美がそう言った。全員がキョトンとする。
「えーと、明美さん」
「何かしら?」
「ワタシはどうすれば?」
「だからこの葦花町を、湖に浮かぶこの島を向こう岸まで動けと命じればそれだけでいいのよ。壊すのは私たちが脱出した後でいいわ」
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葦花町実験レポート 決定版
五人の能力者が目覚めた。その能力をここに記す。
一人目 小学生男児
時を操る能力
……対象のものの時間を速くする、遅くすることができる。
発動条件
……対象がひとつであるときのみ発動する。「町」といったものでもひとつならば時間を操作することができる。
二人目 成人男性
爆発を起こす能力
……対象のものを爆発させることができる。
発動条件
……近くに誰かがいるときのみ発動する。一人では爆発は起きない。
三人目 女子中学生
人を操る能力
……対象のものの自分の思い通りに動かすことができる。
発動条件
……人間以外のものが対象のとき発動する。人間でなければ生命体でも物体でも操ることができる。
四人目 女子中学生
身体を鉄にする能力
……自分の身体を鉄に変えることができる。
発動条件
……何かを守ろうとするときに発動する。後ろに守っていなくても守りたいと思うものを浮かべるだけで力を使える。
五人目 成人女性
嘘を見抜く能力
……他人の話について嘘かどうかを見抜くことができる。
発動条件
……相手の目を見ているときに発動する。
ここまで読んでいただきありがとうございます。
作者の女川るいです。
最終決戦が終わりました。でももう少しだけお話は続きます。
最後まで見届けていただければ幸いです。
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次回のお話もよろしくお願いします。




