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レベルを上げよう!〜竜の巣〜③



〜夜20時 竜の巣 帰らずの穴〜


「……」


タバコを吸いながら焚き火を見詰める。時折、聴こえる遠吠えや物音が警戒心を強くさせ神経を昂らせた。


「ご飯はちゃんと食べたかな」


家に残したアイヴィー達が脳裏に浮かぶ。皆が居るし心配はないと思うが離れてると不安になる。


仲良くやってるといいけど…。



〜同時刻 首都ベルカ 第6区画 マイハウス〜



マイハウスのリビングではフィオーネとモミジが火花を散らしていた。


ソファーに座り面白そうに眺めるキャロルとは対照的に冷汗を流しながら見詰めるボッシュ。


ラッシュは暢気に欠伸をしている。アイヴィーとメアリーとキューは入浴中で席を外している。


ーーー…ったく。くだらないわね〜。


アルマが呟くが他の面子には鳴き声にしか聴こえない。


「…もう一度、確認します」


「…おう」


「悠さんの寝室は私が責任を持って使いますよ」


「心配すんな。フィオーネは仕事で朝が早ぇーんだろ?掃除やら何やら含めオレに任せろや」


「お気遣いどうも。でも問題ありませんから」


…二人は悠の寝室をどちらが寝泊りするかで揉めているのだ。もちろん部屋数に余裕があるので寝室を選ぶ必然性は全くない。


「俺かラッシュが寝室を使えば丸く収まるのでは…」


ボッツが恐る恐る提言するが…。


「あァ?」


「何か?」


「あ、いえ…何でもないです…」


…二人の剣幕に押され引き退る。


「うしし。…あの『紅兜』がまさかねぇ〜。うちも泊まりに来て良かったわ。おもしれーもんが見れたぜ」


キャロルがけらけらと笑う。


成り行きを見ていたラッシュが興味無さげに呟いた。


「交代で使えばいーんじゃね?」


「……」


「……」


それを聞き黙り込むフィオーネとモミジ。


話が平行線である以上、どこかで妥協する必要があるのは分かっているのだろう。


「な、ナイスだラッシュ!極稀に良いことを言うな」


「極稀ってなんだよ」


「まーなぁ。二人とも譲らねーだろうし。フィオーネもモミジもそれでいいじゃんか。な?」


キャロルが二人に聞く。


「仕方ありませんね…」


「…わーったよ」


お互い渋々と言った表情だが同意した。


ーーー…先が思いやられるわね。


「お風呂上がったよー!」


「二人ともどうかした?」


ーーきゅ〜。


湯上りのアイヴィー達がリビングに登場。


「お!次、うち入るわー」


キャロルがリビングを出て風呂場に向かう。勝手知ったる他人の家とは正にこの事で全く遠慮がない。


「あら…アイヴィーちゃんってば髪が濡れてますよ」


フィオーネがバスタオルで優しく髪を拭く。


「ん」


「キュー。ほら、こっちきな」


ーーきゅきゅ。


モミジがキューを抱き撫でる。


「ふふ。モミジはキューちゃんが好きですね」


「まーな。…キューちゃんもオレが好きだよなぁ〜?」


ーーきゅー!


さっきまでと違い和やかな雰囲気だ。


「…ユウさんが絡まなきゃ普通に仲が良いのに」


ボッツがぼやく。


「風呂入るまで外で素振りしてくっから」


「ん、ああ。わかった」


ーーーふぁ〜…。暇だしわたしもついてこーっと。


「…お?なんだ。ついてくんのか。オレのカッコいい素振り姿を見てびっくりすんなよ」


ーーーふん。阿保ねこいつ。


馬鹿にされてるとは露知らずラッシュはアルマと一緒に玄関に移動する。


悠の心配は杞憂で終わる。


アイヴィーもアルマもキューも楽しく過ごしていた。



〜夜20時30分 竜の巣 帰らずの穴〜



「あれ」


手入れをしようと武器を出すと変化に気付く。


金剛鞘の大太刀の刀身は妖しい光を放ち切っ尖は鋭利になっている。魔槌・屠も…剛銃・アンチレイムも…形態に変化が生じていた。


「妖刀…魔槌…剛銃、か」


頼もしくなった相棒達を眺め丹念に手入れをする。


「家の鍛冶場にあった中期型作製ツール…。あれを使えば更に良くなったりするのかな」


帰ったら中期型作製ツールの練習も兼ねた鍛治をしてみようか。その後、手入れを終え火の番をしながら浅い眠りについた。


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