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休日を過ごそう!〜はじめての魔導具錬成〜


〜翌朝 マイハウス キッチン〜


起きて顔を朝食の準備をする。


ゆっくり寝たお陰ですっきりした気分だ。


ハムエッグとサラダにパン…ジャム瓶と牛乳を置いてっと。


「……おはよ…」


寝起き直後のアイヴィー。寝癖とパジャマが凄いことになってる。


「おはよう。朝食の準備は出来てるから着替えて顔を洗ってこい」


「…うん」


洗面所に向かう。


ーーー…ふぁー。ご飯できてる?


「出来てるけど皆で食べるぞ」


ーーーわかってるわよ。昨日の夜はあの子と寝たけど……抱き締められて体がばっきばっきだわ。


「一人で寝るのが寂しいのか?」


ーーー…バッ、バカ!ち、違うわよ。わたしはあの子が寂しくないように一緒に寝てあげたの!


「へー」


図星じゃん。



〜15分後 リビング〜



「美味しいか?」


「おいふい」


もぐもぐと食べるアイヴィー。アルマは速攻で食べ終わって寛いでる。…よく噛んで食べないと太るのに。


「…ごくん。今日はギルドに行くの?」


「流石に疲れたし休みにするよ。アイヴィーは?」


「行かない。キャロルが暫くAAランクの依頼はないって。それにAランク以上は『高位冒険者報奨金ランクボーナス』がある」


「ランクボーナス?」


「うん。Aランクは30万G。AAランクは50万Gを冒険者ギルドから毎月、貰えるし依頼を受けなくても生活ができる」


皆、上を目指す訳だ。年金みたいなシステムだな。


「アイヴィーも生活費を悠に渡すから」


「…いや駄目だ。将来のために貯金しなさい」


「でも」


「俺はお父さんのつもりで一緒に住む覚悟だ。…娘に生活費を無心する情けない親にはならない。生活費なんて心配すんな」


「…お、とうさん…」


アイヴィーの目が大きく見開く。


「わかったか?」


「…うん!」


嬉々とした返事が返ってきた。


明日からは今まで以上に仕事を頑張ろう。


ーーーくひひ。お父さんはたいへんね〜。


茶化しやがって。食費の大半はアルマの分だからな。



〜10分後 マイハウス 庭先〜



朝食を終えアイヴィーはリビングで読書に勤しんでいる。


俺は庭先で今日の予定を考えながら一服していた。


ーーーねぇ。


「ん」


アルマが近寄ってきた。


ーーーあの子って本が好きなんでしょ?書斎に連れてってあげたら。ランダが趣味で集めた本が大量にあるわよ。


「……書斎か。俺もまだ入ってなかったな」


ーーー文学には無縁な原人だもんね……にゃにゃにゃにゃーっ…にゃー!!!


「顎先にパン屑ついてるぞ。腹にも」


ーーー…あ、あ、あんた…わ、わざと…にゃふー!!


一頻り撫で回しアイヴィーに声を掛け書斎に向かった。



〜マイハウス 書斎〜



「わぁ…!」


「凄い数だな」


壁一面に並ぶ本棚。本棚には分厚い本が規則正しく並べられている。…まるで小さな図書館だ。


ーーー昔、流行った小説や図鑑…他にも学術書や魔導書も置いてあるわ。難解な本もあるけどね。


宝の山を見つけた少年のようにアイヴィーの目が輝いている。


「…この部屋の本を読んでもいいの?…」


「もちろん。好きに使ってくれ」


「ありがとう!」


早速、本を手に取り椅子に座って読み始めた。


うんうん。10歳で本が好きなんて偉いぞ。


将来が楽しみだ。


ーーーあんたも読んでみたら?


偶には読書で時間を潰すのも悪くないかもな。


「えーっと…『風魔法 〜ジャンバの定理〜 』…風魔法の…空気中を…運動する物体への影響は……?」


二、三ページを読み棚に戻した。


…人には向き不向きがある。


ーーー……うわぁ。


「アイヴィー。俺は地下の工房にいるから」


「うん」


「…そうだ。昼は何食べたい?」


「うん」


「……天気が良いし外に食べにいくか?」


「うん」


「……もしもーし。応答せよー」


「うん」


「…あの…」


「うん」


「…………」


「うん」


「……12時になったらご飯を用意するね」


「うん」


本の世界へと旅立ったアイヴィー。


ーーーあの子の集中力を見習いなさい。


……返す言葉もなかった。



〜5分後 地下 工房〜



ーーー…で今日はなにすんの?


「魔導具を錬成してみようと思ってな。アイヴィーにモンスターの死骸と素材も貰ったしダンジョンでアイテムも拾ったんだ」


大きく不思議な文字が書かれた錬成炉の前で腰袋から死骸と素材を取り出す。


「モンスターの死骸と素材は…」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


モンスターの死骸と素材。

・ジャイアントヴェタの死骸と素材×3

・ジャイアントバットの死骸と素材×2

・ナーダ洞窟の大ムカデの死骸と素材×2

・ビッグラーチの死骸と素材×10

・岩のゴーレムの死骸と素材×1

・ナーダゴブリンの死骸と素材×58

・ナーダ洞窟のトロールの死骸と素材×1

・幻のジュエの死骸と素材×1


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


これで全部、か。…こっちが拾ったアイテムっと。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

・ナーダキノコ×2

・ナーダ洞窟の紫花×1

・光る苔岩×2

・魔力を帯びた古い斧×1

・ナーダ洞窟の魔結晶×1

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「これだけあれば魔導具も錬成できるだろ」


ーーー使い方はあんたが持ってる錬成炉と同じよ。…ただ魔導具の錬成は失敗する確率が高いわ。ランダも爆発させてよく丸焦げになってたし。


「…爆発すんの?」


ーーー爆発で済んだら良いほうよ。酷い時は錬成した魔導具が呪品になったり危険な『魔導生命体(マギモン)』を生みだしちゃうから。…魔導生命体は簡単に言うと人工のモンスターね。


「えぇ……めっちゃ怖いじゃん」


ーーーまぁ物は試しよ。やってみなさいな。


…取り敢えずぶち込んでみよう。


錬成品も入れるか。死骸・素材・アイテムが錬成炉に吸い込まれていく。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

・ジャイアントヴェタの死骸と素材×3

・ジャイアントバットの死骸と素材×2

・ナーダ洞窟の大ムカデの死骸と素材×2

・ビッグラーチの死骸と素材×10

・岩のゴーレムの死骸と素材×1

・ナーダゴブリンの死骸と素材×58

・ナーダキノコ×2

・ナーダ洞窟の紫花×1

・光る苔岩×2

・魔力を帯びた古い斧×1

・ナーダ洞窟の魔結晶×1

・強力粘着液×6

・魔石(中)×3

・リブライト結晶石×1

・劇毒瓶×1

・麻痺瓶×3

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


ーーー始まったわよ。


「あ、ああ」


錬成炉の文字が輝き錬成炉が揺れる。


緊張しながら眺めているとぽん、と音がした。


あ、あれ。もう終わり?


錬成炉から恐る恐る中身を取り出すと…。


「鉄の箱だ」


ーーーにゃふ!成功したわね。


鑑定してみる。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

鍛治師の宝箱

・黒永悠が錬成した魔道具。鉱石系の素材アイテムを

無限に収納し一定時間が経つと収納したアイテムが増殖する。但し鉱石系以外のアイテムを入れると壊れる。宝石・魔石・原石も収納可能だが増殖はしない。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「……おおお!!これはめっちゃ凄いぞ。鉱石が増えるって書いてる!」


ーーー良かったじゃない。増殖系の魔導具はかなりレアよ。あんたって運が良いわ。…もしかしたら契約した祟り神が影響してるのかもね。


「マジか」


ーーー仮にも神だし。


鍛治が捗るし一度、鉱石を入手すれば一生困ることはない。


…祟り神様ぁ!愛してますぅ!


早速、手持ちの鉱石を鍛治師の宝箱に収納してみた。


ーーーーーーーーーーーーーーーーー

・鉄鉱石

・銅鉱石

・銀鉱石

・金鉱石

・鋼石

・玉鋼

・魔鉱石

ーーーーーーーーーーーーーーーーー


巌窟亭にも良い土産になるぞ。冒険者ギルドの採取依頼も渡すだけで済むし半端ないやん。


……MPが回復したらもう一回しよっと。


まだ死骸と素材と錬成品もあるし。


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― 新着の感想 ―
[気になる点] 錬成炉の仕組みってどうなってるんですかね? 決まった素材や決まった手順も無しに、テキトーに素材入れて魔力を入れれば何かが出来るって凄い不思議な道具だし、欲しい物を狙って作るとかも出来な…
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