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知れ渡る魔王復活!③

12月25日 午後12時5分更新

12月27日 午後17時57分更新

12月28日 午後12時7分更新





〜1時間後 海神の玉座〜


リヴァイアサンの周囲に無数の魔法陣が浮遊していた。


「こんなもんかな?それじゃ皆のところに〜」


激しく魔法陣は回転し小さくなって消える。


これは自身の幻影を相手の魔力と魔素を媒介に利用し、距離・環境・場所を無視して出現させる『水幻鏡』という幻系統にカテゴリーされるリヴァイアサンのレアスキルの一つだ。


「…ぜったい驚くだろうなぁ」


頭に手を組みぼんやりと穴を見上げ呟く。


程なくして海獣のモンスターの群れがなだれ込んで来た。


ーー…リヴァイアサン様!


「お?クラくんも帰ってきたか〜」


先頭を切って近付くのはクラーケンだ。


その巨体はリヴァイアサンに及ばないがかなり大きい。


数え切れない触腕…異形の風貌…数多の船を沈め人を喰らう海底の悪魔と恐れられるモンスターである。


ーーさ、珊瑚の庭で麗しく愛しいオルガさんとオルドのクソッタレ……っとゆーかアジ・ダハーカ様と会いましたぞ!?


「遊びに来てたからね」


ーー遊び…?


「まぁいーじゃんか!それよりそっちはどーだったの?」


ーーいや良くないですけどぉ!?


「クラくんうっさいなー…ヤチ〜?」


ーーはっ…リヴァイアサン様の仰る通りあの島には人の痕跡が御座いましたわ。


ヤチと呼ばれた上半身が人で下半身が蛸のモンスターが問いに答える。珍しい()()な『魔人種』の雌モンスターだ。


「うーん…神樹が枯れた呪われし島に偶に人が来るのは知ってたけど」


ーー朱い月が空を赫く染め、海が闇に濁った()()()()()は深まるばかり…そもそも人が我々の目を掻い潜り辿り着くこと自体が不可思議かと。


「ま、害はないみたいだしこれ以上、調べても無駄か〜」


ーー……警告も兼ね襲ってきますか?最近は身分を弁えず領域を侵す愚かな猿が増えましたし…何百人か殺せば連中も大人しくなるでしょう。


クラーケンの大きな閉眼目が怪しく光った。


「クラくんはすぐ物騒なほーこーに話を持ってくねぇ?とりあえず放置でいーよ〜」


のんびりした口調と態度で答える。


ーー畏まりました。主の仰せられる通りに。


クラーケンは恭しく頭を垂れた。


ーーしかし、その御姿……珍しいですね?


ヤチは鰭をたゆわせ寛ぐリヴァイアサンを眺め問う。


「アーちゃんから頼まれたからさぁ」


ーー話が変わりますがオルガさんは……こほん!アジ・ダハーカ様はどんな御用件で海神の祠に?


クラーケンは咳払いし言い直した。


「あれぇ会ったのに聞いてないの〜?」


ーー…それはその…オルドと…ごにょごにょ…喧嘩とゆーか……なんと言いますか…。


触腕を突き合わせ言い淀み、顔を隠す。


ーー邂逅した瞬間、挨拶の間もなくクラーケンとあの銀星竜が喧嘩した所為で御座いますわ。


ーーお、おぃ!


ヤチが暴露した。


「…喧嘩ぁ?」


ーーええ…アジ・ダハーカ様が仲裁して下さったのですが、十分な礼も言えぬ内に行ってしまわれて……失礼な事をしてしまいましたわ。


「こらぁ〜〜!ケンカは駄目って前に叱ったでしょ〜?」


ーーめ、面目ありません!


呆れた顔でヤチはクラーケンを横目に溜め息を吐いた。


ーーこの期に及んで嫉妬し突っかかるのは見苦しいわよ?


ーー…嫉妬じゃねぇーしぃ!?べ、別にオルガさんに振られたとか関係ないからぁ!


関係しているようだ。


「もぉ…反省しないと僕もまたプンプンだよ?」


腰に手を当て可愛らしく忠告するとクラーケンは血相を変え謝罪した。


ーーめ、めちゃくちゃ反省してます!!超反省中です!


「ん!ならオッケ〜。あとは自由に帰っていいよ〜」


海獣の群れが玉座を後にする。


残った彼女は輝く海水の中を優雅に泳ぎ始める。


「ん〜〜…ひさしぶりに皆に会いたくなっちゃった」


目を瞑りボソッと呟くリヴァイアサンだった。


……因みにその願いは叶うことになる。


本日、世界各地の禁域で不思議な現象が発生した。その原因はリヴァイアサンが水幻鏡でアルマ復活を()()()()()()に報せた所為だ。


伝説の名を冠するモンスターが真実を確かめるべくアジ・ダハーカの下へ集うのはもう少し先のお話…。



〜17日目 午後15時 龍神の水郷 ドラグマの神樹〜



「…お?帰ってきたみたいだぞ」


「そのようだな」


ーーお父さ〜〜ん!


ーーお母さ〜〜ん!


俺達は結界を超え、上空に現れた一行を見上げる。


出発から二日経過していた。


ーー帰ったぞ…いい子にしてたか?


ーーうん!おじさんがいっぱい遊んでくれたよ。


ーー…ウェールズお姉ちゃんはすっごい厳しかったぁ!


地上に降り立った父親の下へオルタとオルカは一目散に駆け寄る。


ーーそうか…世話を掛けたな。


「全然!俺もウェールズも楽しかったよ…な?」


「ふん」


鼻を鳴らしそっぽを向く。


この二日間で分かったが、言動は素っ気ないもののウェールズは面倒見が良い。


将来はきっと素敵なお母さんになるだろう。


「ふに〜…久々に空を飛んで疲れたわい」


姿を変えたアジ・ダハーカが呟く。


「おかえり」


「うむ…抱っこじゃ!」


「おっと」


勢い良く胸に飛び込むアジ・ダハーカを受け止める。


「……」


遅れて変身したフカナヅチは疲れた表情だった。


「どうした?」


「クックックッ…いや自分の矮小さを痛感してな?リヴァイアサン様には驚かされたぞ」


「…ほぅ」


「あれほど巨大な魔物は初めて見た」


「巨大だと?詳しく話せ」


興味津々なウェールズは詳細をせがむ。


「一飲みにされるほど兎に角、大きく圧巻の迫力……島を沈めるというのも納得だ」


「……」


…聞いてるだけで挑む気が激しく失せるな。


「どれ約束の品を早速、渡そうかの」


「ん?…あぁ!わざわざありがとな」


「んぺっ」


アジ・ダハーカは自分の手に唾液塗れの綺麗な水色の玉を吐き出し俺の服で拭いた。


……いや、別に文句はないけどぉ!


「なんだそれ?」


「リヴァイアサンの魔力を封じた海玉じゃ!これは……って妾が口で説明するより鑑定した方が早いな」


煌星龍の宝玉より小さいが、不可思議な美しさと力強い魔力を感じる。



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