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休日を満喫しよう!⑧




〜百合紅の月8日 夜21時 マイハウス リビング〜


「あらぁ〜?」


「オルティナか」


「皆さんがいないですね〜」


「アイヴィーとキューは部屋で爆睡中…アルマは夜の散歩…一人でのんびりしてたよ」


「つまり二人っきりですか〜」


「そうなるな」


風呂上がりのオルティナが隣に座る。

シャンプーと石鹸の芳香が鼻を擽った。


「…近くない?」


「普通ですよ普通〜」


肩と肩が触れ合うのは普通なのだろうか?


「…ん〜」


背伸びをすると重力に逆らい双丘が揺れる。


うひゃーい…眼福、眼っ…は!?…い、いかんいかん!


「どうしました〜?」


「な、なにも」


慌てて素知らぬ振りをする。


「… オルティナは疲れてないのか?」


「疲れてヘトヘトですよぅ〜!でもスタミナには自信があるんで〜」


「さすがSランク」


「ユウさんもでしょ〜」


疲れて当然だよな。

普段は家事をしてきつい稽古も……あ、そうだ!


「肩でも揉もうか?」


「えぇ…悪いですよぅ」


「いいからいいから」


「あっ…ふぅ…あ〜〜…」


首の付け根から僧帽筋を揉む。

あれだけ食ってんのに細いな…オルティナは太らない体質なのかも。


「上手ですね〜…あ、そこそこ〜」


「ゴッドフィンガーって呼んでくれ」


「…うふふ〜…ん、あっ…ん」


「……」


息遣いと漏れる声が悩ましく一瞬、喘ぎ声かと思った。次第に肌が汗ばみ火照ってくる。


…大分、凝ってるな。


「んっ…ふぁ…あふっ…んん」


「……」


〜15分後〜


「すっかり楽になりました〜」


にこにこ顔でオルティナは肩を回す。


「そ、そうだね」


男の本能と理性が鬩ぎ合う肩揉みだった。


「私って昔から肩凝りがひどくて本当、困っちゃいます〜」


西瓜を二つ胸にぶら下げてるもんな!…って冗談でも言わない。


セクハラで訴えられたら間違いなく敗訴だ。


「ユウさんもマッサージしますよ〜」


「俺?べつに凝ってないし大丈夫だよ」


「疲れは見えないとこで溜まってますからね〜」


強引にオルティナは両肩を掴む。


「まぁ…折角だし頼もうかな」


「えい」


「お、おぷぅ」


え、な、なに…!?


オルティナは真正面から首を両腕で抱えた。


おっぱいおっぱい!綿菓子に包まれたらこんな気分なん…じゃねぇ!?


これマッサージじゃなくて…どう見ても…おっ、おっパ…ぎゃふん!


「あっ…あっ…痛たたたたたたただ!」


「大分、筋が硬いですね〜」


首が強制的に捻られる。


「…オ、オルティナさん!?」


「ドラグニートに代々伝わる接骨術ですよ〜」


右腕を掴み反対に捻り込む。


「よっ、ほっ」


「腕が…と、取れちゃうっ…」


「骨が歪むと血液の流れも悪くなりますから〜」


俺が想像してたマッサージと違う…これガチのやつやーーん!


「次は仰向けになってくださいね〜」


「も、もう大丈夫…」


「ダメです〜」


押し倒されオルティナが覆い被さる。

側から見れば凄い光景だろう。


…な、なんか頭がくらくらしてきた。


オルティナの匂いと感触を全身で感じる。


「両腕を交差して〜……はいっ」


「あっ…あーーーー!!」


天国みたいな地獄…矛盾してるがそんな考えが脳裏に過った。


暫くドラグニート秘伝の接骨術を堪能した。


〜10分後〜


「か、体が軽い」


「ふぅ…頑張りました〜」


気分爽快ってゆーか…羽が生えたってゆーか…竜人族の接骨術って凄っ!


コンディションばっちりだ。


「痛かったけどありがとな」


「いえいえ〜」


髪が汗で頰に張り付き息遣いが荒い。


「あ、その…服が乱れてるぞ」


「…ふふふ〜」


「オルティナ?」


これ見よがしに胸を強調し迫る。


「ユウさんは胸がおっきい娘が好きなんですよね〜?」


「べ、別に俺はそんな下卑た奴じゃ」


図星を突かれしどろもどろになる。


くっ…俺はおっぱいなんかに屈しない!


「…嫌いですかぁ〜?」


「…き、嫌いじゃないです…」


やっぱりおっぱいには勝てなかったよ…。

即堕ちのいい見本である。


「……私も」


「ん?」


「…頼り甲斐があって優しいユ、ユウさんが……」


見る見る顔が真っ赤に染まってく。


「…どうした?」


「好……素敵だなぁって思います〜…」


一瞬、口籠もりオルティナは言葉を紡いだ。


「ははは!照れるな〜」


「…あーうー…私ってば肝心なとこで尻込みして……も〜〜!」


子供っぽく地団駄を踏むオルティナがやけに可愛く見えた。


「オルティナ?」


「今日は一歩前進したってことで〜…良しとしますよぅ」


何を言ってるかさっぱり分からん。


「ふぅ…ではお休みなさい〜」


「あ、ああ」


何故か満足気な表情で部屋に戻った。


「?」


頭を掻き首を傾げる。


「…この唐変木」


「わっ!?…あ、アルマか…居たのかよ」


ソファーで寛ぎ毛繕いをしている。


「その性格直さないと本当にいつか刺されるわよ」


「いつもそう言うが心当たりは一つもないぞ」


「……ナチュラルで女の敵よねあんたって」


「こんな紳士に向かって酷い」


「質問だけど…仮にフィオーネやモミジ…まぁあんたの知り合いの女の子が自分の部屋のベッドで裸で寝てたらどーする?」


「…はぁ?」


「どーすんのよ」


「そりゃ…毛布を掛けて部屋を出てくよ」


「うわぁ」


心底残念な物を見る眼差しだった。


「な、なんだよ!ベストアンサーだろ?」


「確かに()()()()じゃベストアンサーだけどね…」


ある意味ってなんだよ。

釈然としないままアルマと寝室に戻った。


〜夜22時 マイハウス 寝室〜


俺はベッドに寝転び天井を見上げ思い出す。


「(…ヨハネと決着をつけなきゃな)」


忙しくなる前に片付けよう…このまま放置したらまた絡んできそうだし。


明日、誰かに立会人を頼むか。


そうして目を閉じ床に就いた。



〜同時刻 第12区画 ネフ・カンパニー 倉庫〜



「いぎゃあああああああ!!」


「…だ・か・らさぁ…もう一回言ってみ?ん?」


左顔面に奇妙な刺青を彫り角の生えた亜人の男が皮膚と血がこびり付いたナイフを片手に嗤う。


「ギルドを辞めるって本気で言ってんのか?ん?」


「…す、ず、ずみません…や、辞めさせでくだっああああああああああああ゛!!!」


「答えになってねーだろ…ん?」


太腿の皮膚をゆっくりナイフで削ぎ剥がし投げる。


べちゃ、と嫌な粘着質な音を立て倉庫の壁にぶつかった。周りを囲む数十人の配下は嘔吐感を必死に堪え惨状を見守った。


「…騎士団に自ら出頭した挙句、辞める…ん?なぁ俺を舐めてんのか…ん?」


猿轡を嵌め拘束された三人は涙を流し自分達の兄貴分が拷問される様子を見ていた。


「そいつは俺より怖いのか?ん?」


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


『約束を破れば何処に居ようと探し出し息の音を止めてやる』


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


「あ、あ、あ、あっ…!」


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


『俺は必ず約束は守るぞ……分かったか?』


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


「い、嫌だああああああ!!辞めさせてぐでぇぇぇぇ!」


悠の顔がフラッシュバックし男は半狂乱で叫んだ。


「…あっそ」


「げぷっ…」


脳天にナイフを突き刺され男は痙攣した。


「おーおー!噴水みてぇで綺麗だなぁ…ん?」


血で汚れることも厭わずまた嗤う。


「…ネフさん」


「ん〜?」


「他の三人は?」


「全身の皮ぁ剥いで山の木に縛り付けて放置!…あ、たっぷり蜂蜜と砂糖を垂らすの忘れんなよ」


「「「ん、んむぅうぅうううーー!?」」」


アンダーリムの眼鏡を拭きつつ腹心の部下の質問に明るく答える。


猿轡から漏れた叫びを楽しむように頷いた。


「自然に帰すってやつだ…俺ってば環境に優しい男だからな〜。ベッチィもそう思うだろ?ん?」


「ですね」


背の高い逞しく丸刈りの男…ベッチィは頷く。


「…ユーリニス様がよぉ…この件が首尾良くいきゃあ俺を大幹部に抜擢してくれるって言ってんだ……ゴーサインが出るまで止まれねぇよな…ん?」


ネフは恍惚し身を捩る。


「クロナガユー…どんな化け物か知らねーが…『殺人蜂キラーホーネット』のネフが相手してやんよ……ぐふっ…ひゃは…ひゃはははははは!」



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