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仕事して生活しよう!③



〜 午後14時 第2区画 巌窟亭 受付カウンター 〜



響く金属音と怒声と熱気。煙がもくもくと空に溶け忙しく職人達が働く。


受付カウンターに行くとモミジが座っていた。


「こんにちわ」


「…新人にしちゃ重役出勤じゃねーか」


早々に嫌味を言われる。


「午前中は冒険者ギルドの依頼をこなしてたからな。本当はもっと早く来るつもりだったんだけど」


決闘で時間が掛かったのは予想外。


「知るかよんなもん。夕方まで空く鍛冶場の作業スペースはねーぞ」


「それで質問なんだけど……依頼を受けて自宅で仕事してもいいのか?」


「自宅ぅ?…お前ってば家に設備があんのかよ」


「借りた家が工房付きだから」


「へぇ…なんだよ。鍛冶工場こうば付きの借家を借りるなんて……やる気あんじゃねーか!」


俺の肩を叩くモミジ。普通に痛い。


「依頼を見せて貰って良いか?」


「ん。ほらよ」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

創作依頼:鍋ガ欲シイネ!!

依頼者:南貓厨房 料理人 シーハイ

成功報酬金:10万G

依頼期間:3〜7日

内容:ワタシ火ノ通リガイイ鍋ホシイネ!巌窟亭ノ職人サンヨロシクネ!粗悪ナモノダメヨ。ユルサナイ。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「ふーん」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

創作依頼:ロザリオの作製をお願いできますか?

依頼主:ベルカ孤児院 修道女ナタリア

成功報酬金:2500G

依頼期間:無期限

内容:子供達にロザリオを用意してあげたいのですが…何方かロザリオ20個を作製して頂ける方はいらっしゃいませんか?

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「……ベルカ孤児院の修道女ナタリア…」


ポーションの件もそうだが苦労が絶えない孤児院だ。


「んでどーするよ。依頼は受けんのか?南貓厨房の依頼はともかく……ベルカ孤児院からの依頼は割に合わねぇぞ。どの職人も受けねーし」


「二つとも受けるよ」


無視するのは可哀想だ。


「変わってんなお前。わーったよ……依頼期間までに完成したぶつを持ってこい。オレが鑑定してから依頼主へ渡すから」


「了解」


「発注書つくっから座って待っとけ」


暇なので銃を整備をして待つ。


〜20分後〜


発注書を受け取る。


「頑張れよ。わかんねぇことあったら聞きにこい」


「モミジって口悪いけど面倒見が良いんだな」


「…………さっさっと行っちまえボケェッ!!」


照れ隠しの怒声を浴びながら巌窟亭を後にした。


日没まで時間があるな。


商人ギルドに…いや少し生活が落ち着いたら改めて行くか…。


食材や日用品でも買って今日は帰るとしよう。



〜夕方17時 マイハウス〜



家に帰るとアルマが玄関で待っていた。


ーーー遅かったわね。


「待っててくれたのか?可愛いやつめ」


背中から尻尾にかけて優しく撫でた。


ーーーにゃふ…にゃにゃ…はっ!?まっ、待ってなんかないわよ!ふん!


素直じゃない。尻尾は素直だけど。


台所に行き買ってきた食材を腰袋から取り出す。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ベルカサーモン

・ベルカの海や河川に生息する魚。

生食も可能。ベルカでは馴染み深い食材。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「…あとは」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

アブラダケ

・世界中に生えるキノコ。動物の死骸を糧に

成長し脂肪分を貯める。食用可。外見が似て

いる毒キノコのブブラダケに注意すること。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


魚料理でも作ろうと思い魚屋で買ってきた。


二匹で1000Gもしたけど。


ーーーーーーーーー

所持金:47万G

ーーーーーーーーー


「ホイル焼きと刺身…カルパッチョにしてみても良いな」



〜1時間後 マイハウス キッチン〜



「できた!」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ベルカサーモンのホイル焼き

・ベルカサーモンとアブラキノコの包み焼き料理。

アブラキノコの脂がサーモンの切身に絡み箸が止まらぬ一品。


ベルカサーモンのカルパッチョ

・ベルカサーモンの薄切りと野菜に調味料をかけた料理。簡単な料理だが奥深い味の一品。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


上手に作れてよかった。

地球にいたら写真撮影してSNSにアップしたい。


ーーー………。


料理を興味深そうに見詰めるアルマ。調味中もずっと見ていたっけ。


「なぁ。アルマって普段は何を食ってんだ?…虫?」


ーーーふざけんにゃ。虫なんて食うわけないじゃない。わたしは何も食べないでも生きれるわ。


「マジか」


ーーー食機能を不要とする生物の到達点なのよ。……前に興味本位でランダの料理を食べたけど……あれは地獄だったわ。目が痛くなったもの。


め、目が痛くなる料理って…。


緋の魔女は料理が苦手だったみたいだ。


ーーー…すんすん……悠のは美味しそうな匂いね。


「食べるか?」


ーーーふん。…あんたがどーしてもアルマ様にその料理を献上したいってゆーならやぶさかでもな…。


「要らないんだな。分かった」


ーーーた、食べるわよ!食べるってば!



〜20分後 リビング〜



ーーー…にゃふぅ〜。


アルマの食いっぷりは凄まじかった。餓鬼のように食ってはおかわり食ってはおかわり…。


皿まで舐め回し今は満足した様子で尻尾を揺らして顔を掃除している。


「お前……俺より食ったぞ」


ーーー…まぁまぁ…ね。これからはわたしも毎日食べるわよ。必ず用意しなさい!


「はいはい。お気に召したようで何よりです」


ーーーにゃふ…ランダのやろー…なーにが…料理は必要ない技術だ…よ。こんなに美味しいじゃない…。


その後は食器の片付けを行い地下室で鑑定・鍛冶・錬金の作業をして風呂に入り寝る。


今日も忙しい一日だったが無事終わった。


明日も頑張らなきゃな。



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