脱出しよう。〜出逢い〜①
〜見知らぬ洞窟〜
上を見上げれば岩。
下を見ても岩。
生い茂る苔と発光する植物
目を開けたら洞窟でした。
「……どこだここ」
「えっと異世界…なんだよな。どうすんだこれ」
去年、管理職に就任し給料も上がり婚活でもして結婚なんて考えてた矢先にこれだ…。
B級映画でも採用しないひでぇ展開のストーリーだよ。
…まぁ、一服して落ち着こう。
「あれ」
ジャケットからタバコを取り出そうと探るがない。
「……」
タバコだけじゃなかった。携帯もライターも携帯灰皿もない。
服と靴以外は何もないのだ。
……え、異世界に持ち込み禁止なの?
途方に暮れていたがある事を思い出した。
『ーー召喚を開始します。簡単な説明は後程。異世界では最初に自身に付与されたスキルと加護の確認をお薦め致します」
「そういえばスキルと加護を確認しろって言ってたっけ」
「うお!?」
急に目の前にウィンドウ画面か現れる。
『〜〜お知らせ〜〜』
この世界はパルキゲニアと呼ばれる異世界です。
地球では空想上の産物でしかなかった神話の生物や伝承の人種が生息し独自の法律や文化を形成しています。
此方の世界にも地球との共通事項は無数に存在し魔法や才能等の概念が目視で確認可能。
それ等を活用する事が大切です。
職業・経験を通じ自身の能力は数値化され生活に影響を及ぼします。付与したスキルと授けし加護はウィンドウで項目を開き確認して下さい。ウィンドウの開き方は貴方が開くと考えれば表示されます。
『〜〜最後に〜〜』
この世界に慣れるまで苦労するでしょう。それを踏まえ二度目の人生を是非、楽しんで頂ければ幸いです。
「…………」
頭が痛い。
妄想中二病小説が現実に起きたらこうなるに決まってる。
しかし悩んでも事態が進展する訳じゃないんだよなぁ…。
俺は死んだ。そして異世界で暮らすこの事実は変わらないらしい。ならやるだけやってみよう。
…自分にそう言い聞かせる30歳。それはきっと俺だけだ。
ポジティブシンキング!
「ウィンドウを開くだっけ」
―――――――
ステータス ←
装備 ←
所持アイテム ←
―――――――
「おぉすげぇ。ゲームみたい」
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名前:黒永悠
性別:男
種族:人間
称号:なし
職業:なし Lv1
戦闘パラメーター
HP450 MP50
筋力15 魔力7 狂気3
体力12 敏捷10 信仰0
技術10 精神15 神秘4
非戦闘パラメーター
錬金:4 鍛冶:10
生産:6 飼育:12
耐性:なし
戦闘技:なし
魔法:なし
奇跡:なし
呪術:なし
加護:アザーの加護←
固有スキル:鋼の探求心 暴蝕 ←
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加護
『アザーの加護』
①狭間と混沌の女神の加護。古代文字及び古代言語の理解が可能。種族問わず知能がある生物との会話が可能になる。
固有スキル
『鋼の探求心 』
①マップ・宝探し・鑑定・サーチ・採取が複合された探求者の希少スキル。
②目的地・アイテム・生物のマーキングと特殊ウィンドウ有。装備品や素材等の詳細を閲覧可能。任意の生物及び知覚認識できる存在のステータスを閲覧し妨害系スキルを無効。但し制限系スキルは影響有。特殊ウィンドウ有。
③希少なアイテムを発見し易くなる。また多く獲得できる。
『暴蝕』
①所持者の瀕死状態時に生涯で一度のみ発動する異質な概念系統のスキル。代償を捧げ自身より高Lvの存在を強制的に支配下に置き契約しスキルやパラメーターを自身に還元させる(但しレベル差が高い程、還元値は少なくなる)。
②バッドスキルやパラメーターも還元され職業や称号に影響する(解除・解呪・転職は不可)。
②発動後に暴蝕→浸食にランクダウン。
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「……」
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装備一覧
胴:作業服(上下セット)E
上着:ダウンジャケット E
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①作業に適した上下セットの衣服。
②防寒性のあるジャケット。
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所持アイテム一覧
所持アイテムなし。
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「…パラメーター低くね?」
魔力は一桁じゃん。
しかもレベル1…。