表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

17/465

クエストに行こう。①



〜午前6時20分 金翼の若獅子 一階フロア〜


早朝のせいか施設の中も人が少ない。取り敢えず依頼を受けてみよう。


〜 一階受付カウンター 〜


受付前に行くとフィオーネさんがいた。こんな朝早くから仕事してるのか。


「あ、悠さん。おはようございます。早起きですね」


美人の顔は三日で飽きるって諺があるがあれは嘘だな。この笑顔に飽きはこないと思う。


「おはようございます。フィオーネさんもこんな時間から仕事してるんですか?」


「ふふ、今日は偶々です。クエスト依頼を受注されますか?」


「ええ。受けれる依頼は何処で確認したら…?」


「ここで構いませんよ。Fランクのクエスト依頼はこちらです」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

クエストランク:F

クエスト名:バロウルフの討伐

依頼者:ベルカ役所 環境整備科 職員ハンス

報酬金:1000G

内容:南ベルカ街道にいるバロウルフの討伐。五体以上の討伐をお願いします。


クエストランク:F

クエスト名:鉄鉱石の採取依頼

依頼者:職人ギルド 炎の金槌 鍛治師 サンサルド

報酬金:1000G

内容:武器を鍛える鉄鉱石を集めろ。6個以上だ。


クエストランク:F

クエスト名:薬草の採取依頼

依頼者:商人ギルド 宝石箱 商人 ランラン

報酬金:1000G

内容:いつもお世話になっています。薬草を12個集めて頂きたいです。宜しくお願いします。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「Fランクで受注できる依頼は以上になります」


鋼の探求心があれば余裕だ。時間もかからない。


「全部受けます」


「畏まりました」


…ん、Gランクの依頼書が見えたな。そういえば特殊な依頼なんだっけ。


「すみません。Gランクの依頼ってどんなのがありますか?受注するのにランクは関係ないって言ってましたが」


「…Gランクは報酬金やGPがない依頼です」


「報酬金とGPがない依頼?」


「金銭的な理由から依頼者が報酬金を出せないクエストです。ギルドにも仲介料が入らないのでGPも溜まりません。…純粋な人助けの依頼になります。困窮する人々に救いの手を差し伸べるべきと制定されたランクですが……受ける方は殆どいません」


「見せて貰えますか?」


「こちらになります」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


クエストランク:G

クエスト名:ブードゥラットの討伐

依頼者:プーカ村村長ダダン

報酬金:0G

内容:農作物がブードゥラビットに荒らされ…このままじゃ冬を越せんのじゃ。一匹でも多く討伐してくれんか?


クエストランク:G

クエスト名:万能ポーションを譲ってくれませんか?

依頼者:ベルカ孤児院 修道女ナタリア

報酬金:0G

内容:孤児院の子供達が流行病に苦しんでます。全員を医者に診せれるほど余裕がありません。15個譲って下さる冒険者の方はいらっしゃいませんか?


クエストランク:G

クエスト名:アルカラグモの討伐

依頼者:カナ村 子供 ジェシー

報酬金:0G

内容:おっきなくものばけものがむらのみんなをこまらせてるの。おとうさんもおおけがしました。たすけてください。おねがいします。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「難易度も高く危険な依頼もあります。…特にアルカラグモは劇毒と呼ばれる危険な異常状態を引き起こすモンスターで高額の報酬金が無ければ割に合わなさ過ぎる依頼です」


「……」


「ブードゥラットは弱く軽く殴っても死ぬモンスターですが異常な速度で逃げて攻撃や魔法を回避します。食欲旺盛で繁殖力も高く農作物を食い荒らす害獣……専門の駆除業者もいるのですが駆除料金が高いですね」


「……」


「ベルカ孤児院の依頼は火鼠症です。火鼠症はワクチンを打つ前に発症するとワクチンが効かず…患うと熱が上がり続け鼠に火をつけたように苦しむ病で……万能ポーションでも治りますが万能ポーション自体が希少品ですしかなりの高額になります。Gランク受注を高ランクの方にも声を掛けてますが……上手くいきません」


哀しそうに目を伏せる。


相当、割に合わない依頼なんだろう。


別に受けなくてもそいつが悪い訳じゃない。自分の生活があるんだから。


「これも全部受けます」


俺は違う。


…モーガンさん、ミドさん、ケーロンさんの三人は一文無しの俺を無償で助けてくれた。


それと同じだ。


助けを求める人達を無視はできない。…大体、子供の依頼文は卑怯だろ。受けざる得ないわ。


「…悠さん。無理をしなくても」


「大丈夫ですよ。達成できるか分かりませんがやるだけやってみます」


「…アルカラグモはAランク相当の討伐依頼です。ウェンディゴ・変異種を倒せてもレベルが違います」


「何とかなりますよ」


言っても聞かない俺に諦めたのかフィオーネさんはそれ以上、引き留めはしなかった。


「…分かりました。無理はしないで下さい。外の広場を左に行くとテレポーターがあります。そこから南ベルカ街道に行けばプーカ村とカナ村も近いです」


「ありがとうございます。じゃ行ってきますね」


「はい。お気をつけて」


あ、そうだ。


ベルカ孤児院の依頼は直ぐ何とかなりそうだったな。


えーっと…確か…。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

特製ポーション×20

・モーガンの錬成炉で錬成した特製ポーション。

HPを100回復させる。回復量は極小だが大体の

病や異常状態を瞬時に治す。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


このポーションなら火鼠症にも効くかも…。


「万能ポーションではありませんが代用品になると思うポーションです。孤児院の修道女さんに渡してください」


特製ポーション×15を渡した。


「これは…見たことのないポーションですね。一応、鑑定士に見てもらいますが」


「はい。構いません…じゃ行きます」


広場から転移石碑を使い南街道へ向かった。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ