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ギルドへ行こう。①


〜午前8時40分 北ベルカ街道〜


暫く街道を歩くマップに赤いマークはない。


モーガンさんに貰った地図は細部まで正確に地名が記載されていた。


俺が歩いている街道は北ベルカ街道って街道だ。


あ道は整備されているが目的地…首都ベルカを示す緑の矢印まではまだ距離がある。


「風が気持ちいいな…」


さっきから誰ともすれ違わないのが不思議だけど。



〜1時間後〜



綺麗な湖畔が見えてきた。同時に怒声と獣の雄叫び声も聞こえる。


マップを確認すると大きな赤いマークと無数の小さな赤いマークが白いマーク三つを囲み点滅している。


警戒しながら湖畔へ近付いた。



〜湖畔近辺〜



三人組の亜人がゴリラの怪物と戦闘を繰り広げているが……見た感じ劣勢だな。


「クソ!回復薬ポーションがもうねぇ!一旦引くしか…」


「ラッシュまって!?うそ、囲まれてる…?」


「敵を惹きつける!ラッシュとメアリーは俺の背後に!」


…さてさて。


ーー対象を確認。ステータスを表示ーー

名前:ウェデコ

種族:猿獣 Lv16

戦闘パラメーター

HP1200 MP80

筋力120 魔力14

体力32 敏捷40

技術2

戦闘技:仲間を呼ぶ・ドラミング

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

北ベルカ街道に生息してる猿型のモンスター。

徒党を組み仲間と連携した攻撃を行う。

戦闘が長引くと仲間を呼ぶので注意。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー


ーー対象を確認。ステータスを表示ーー

名前:ウェンディゴ・変異種

種族:魔猿獣 Lv40

戦闘パラメーター

HP8600 MP1256

筋力350 魔力250

体力400 敏捷150

技術67

戦闘技:グランドシェイク・雄叫び・尻尾ぶん回し

魔法:アース・ロックボム

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ウェンデコの変異種。通常のウェンディゴより巨体を誇る。ウェデコに戦わせ自分は遠距離から魔法攻撃を行う狡猾さを持つ。ウェンディゴのボス猿同士が共食いを繰り返し生き残ったボス猿が変異した。尻尾に巨大な魔石を持ち尻尾を切ると一気に弱体化する。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー


ふむ…。ここで俺はどうすべきか。


…そんなの答えは決まってるよな。


見捨てる事は出来ない。加勢しよう。


ケーロンの魔銃を取り出し走る。一気に近付いて雑魚猿から撃ち殺す作戦……いや作戦なのかこれ?


ーーギャ!?

ーーグェ。

ーーキィッ!!

ーーギアィ!?

ーーギャ…。


一匹。二匹。三匹。四匹。五匹。


頭と体に2発。


其々に素敵な銃弾の贈りプレゼント。ウェデゴの脳味噌や体が弾け飛ぶ。


「なに!?」


「は…!?」


「た、助かったの?」


呆けた顔で俺に気付く三人。


「…えっと」


漫画や映画ならカッコ良く決め台詞を決めるとこだが俺には恥ずかしくて無理だ。


ーーーーォオオオオッ!!!


ウェンディゴ・変異種が雄叫びをあげた。


「きゃっ!?」


「くっ…」


「……ッ」


うっさいぞこの猿……ってあぶね!?


急に地面が盛り上がったのだ。


金剛鞘の大太刀に装備を切り替え避ける。


ーーーーイギャアアア!??


振り回した尻尾を大剣でぶった斬った。断面から血が勢い良く噴き出る。


そのまま左手を切断。体勢を崩し蹌踉めく。


止めのチャンス!


リッタァブレイカーを握り空中へ跳ぶ。


そのまま頭に目掛け振り下ろす。


頭を粉砕され脳漿を撒き散らすウェンディゴ・変異種は悲鳴をあげる間も無く死んだ。


・強敵を倒し固有スキル『浸食』の効果が発動。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

リッタァブレイカー+1

・浸食のスキルにより戦鎚の威力が上昇。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「……ふぅ」


実践訓練後に神樹の森でモンスターをサーチして分かったがモンスターの戦闘数値バトルパラメーターは比較的、高い。


大事なのは如何に何もさせないで倒すか、だ。


一気に襲って殺す。これが手っ取り早い。


長引けばそれだけ不利になるからな。



「あんたは一体…?」



あ、そうだ。ステータスに制限掛けなきゃ。


ー名前・性別・種族以外の項目に制限を掛けましたー


…これでよしっと。


「俺は黒永悠だ。そっちは大丈夫か?」


「あなたのお陰で無事だよ。…クロナガユウ…珍しい名前だな。…兎に角、危ない所を助けてくれてありがとう。俺はこのPTパーティのリーダーで犀人族リノマンのボッツ。こっちの犬人族ダックスの二人はラッシュとメアリー」


ボッツさんが笑顔で答える。体格の良い一本角が特徴的な渋いお兄さん。


「ほんっととありがとう!もうダメかと思ったもん」


垂れ耳で可愛く愛嬌がある茶髪のセミロングヘアーの女の子…この子がメアリーかな。


「すげーな。瞬く間に倒しちまったし」


金髪でイケメンの犬耳の少年がラッシュ。


「うんうん!こんな強いなら有名な人ですよね。どこの冒険者ギルドの所属ですか?…あ!もしかしてランカーの方?」


…ランカーってなんだろ。


冒険者ギルド登録しにきた無職ですけどぉ。


「違う。冒険者ギルドに登録しに首都ベルカに向かってた通りすがりの一般人だ」


「えぇぇ…嘘でしょ。あんなに強いのに?」


「冗談がキツイぜ」


…面倒だな。仕方ない。嘘をついて誤魔化そう。


「本当さ。…俺は田舎育ちで世間を知らない。田舎で仕事が無くて上京してきたんだ」


「え…マジ?」


「田舎者…?」


半信半疑な疑いの眼差しが痛い。


「二人ともやめないか。ユウさんが困ってるだろ…すみません。助けて頂いたの疑って」


めっちゃ良い人やん。


「…いえいえ」


「でもさ、このクエスト依頼の報告はどうする?ユーさんが倒しちまったのに達成になっちまったぜ?」


「そうだね。これじゃわたしたちの手柄になっちゃうもん」


「報告…ってこのモンスターは君達が倒した事にすれば良いじゃないか」


「いやいやいや!…ギルドカードに記録が保存されてんだから嘘を言えるわけないじゃんよ」


「そうですよ」


えぇ…?ギルドカードに記録って一体なんなの…。


「…その様子を見るにギルドカードをご存知ない様子ですね。冒険者ギルドに登録していなくても聞いた事はあると思うが…」


「…ないです」


「ギルドカードも知らないって田舎者過ぎだろ」


「ふむ……ユウさん冒険者ギルドに登録すると言ってましたよね。宜しければ『金翼の若獅子』へ一緒に行きませんか?俺達もクエスト依頼の達成報告でユウさんに経緯を説明して頂きたいので」


おぉ!渡りに船とはこの事だ。


「助かるよ。こちらこそお願いします」


「マジか!こんだけ強い人と一緒なら『転移石碑(テレポーター)』まで余裕だな」


「ラッシュってばはしゃぎ過ぎ!改めてヨロシクねユウさん」


テレポーター…また知らん単語が…。


しかもさっきから気になってたが悠って呼ぶときのアクセントがおかしい。


「決まりだな。ウェデコの素材を回収し装備を整えてから出発しよう」


「でかいのは持っていかないのか?」


「これだけサイズが大きいと俺達のアイテムパックには入り切らない。運搬業者の手配もしてないし……残念ですが置いていきます。的確な剥ぎ取りも難しいでしょうから」


「これを持って帰れたら当分、仕事しなくて済むのにね」


「だったら俺が持っていってやるよ」


「え…?」


「やめといたほーがいいって。自分のアイテムパックが破裂しちまったらユーさんも困るだろ」


貪欲な魔女の腰袋の出番だ。口金を開きウェンディゴ・変異種の死骸と素材を収納する。


「ほら破裂しないから大丈夫…」


振り返ると唖然としている三人。


…説明は面倒だしもう気にしないことにしよう。


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― 新着の感想 ―
[気になる点] 主人公は「クロナガユウ」としか名乗ってないのに 直後に相手が「ユウさん」と呼ぶのはおかしいかなと思いました 「クロナガ」が姓 「ユウ」が名前だとはわからないのではないかと
[一言] どのぐらい強いの?
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