大金を手に入れた!〜オーランド総合商社〜
〜1時間後 オーランド総合商社 四階 執務室〜
「……」
「えーっと……?」
オーランド総合商社に到着しレイミーさんに執務室で買取審査をして貰っているのだが反応が鈍い。テーブルに並べた宝石や錬成品を見詰め難しい顔をしてる。
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錬成品
・竜印のポーション×25
・竜印のハイポーション×10
・竜印のマキシムポーション×1
・超特製エックスポーション×10
・竜の火炎瓶×6
・竜化の秘薬×1
宝石
・ドラゴザイトの宝石
・ドラゴルビーの宝石
・アレキサンドの宝石
・ドラゴナイトの宝石
・ドラゴモンドの宝石(大)
・龍の涙×1
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…もしや出来が悪かった?鑑定結果は問題なかったと思うが。
「悠さん」
「は、はい」
「…少し計りお時間を下さい。錬成品と宝石をお預かりしますのでこのままお待ちを」
「了解です」
そう言うと品々を細工されたケースに収納し部屋を出ていった。
〜30分後〜
「お待たせしました」
「いえ。品質が悪かったですか?険しい顔してたから…」
「違います。今回の品々の買取査定は私の独断では決め兼ねたので錬成品部門と貴金属品部門の代表に急遽、見て貰いました」
部門の代表…。
「先に査定の結果を申し上げると買い取らせて頂きます」
「おぉ。よかった」
「まず錬成品に関しては貴重な竜素材を材料に作られたポーション類。薬効の高さもさる事ながら材料自体が価値が高い品々です。優良品でプラス査定と今後の品卸も期待させて頂き…計800万Gで買い取ります」
「は、800万!?」
…この間の倍じゃん。ぶったまげるなぁ。
「…そして宝石。危険区域…竜の巣で採掘できる希少な原石は流通がなく非常に高価よ。悠さんが加工したそうですが……一流の宝石細工師顔負けの技術で磨かれ文句のつけようがありません」
上手く加工できた甲斐があったぜ。スキルは偉大!
「ドラゴ系の宝石は貴金属品や装飾品の価値はさる事ながら特別な魔導具作製の原材料にもなります。…特にこの龍の涙は…飛龍の魔力が永い年月をかけ変化した幻の原石。採掘できるのは特級危険区域のアジ・ダハーカの龍峰にある魔窟のみと聞いていました。……実物を見たのは私も初めて。三十年前に市場に一度だけ入荷されたらしいですが…」
「へぇ」
「その軽い反応に吃驚するわ」
レイミーさんが呆れ顔で俺を見る。
「この間の宝石よりは良い値段で買い取って貰えないかな〜って思ってましたけど」
「…『オーランド総合商社』の過去の買取提示額の最高金額を提示させて頂くわ。1億Gで如何でしょう」
………。
「…聞き間違いかな。一億って聞こえたんですけど」
「いえ。確かに申し上げましたよ」
「………ふぅー」
息を吐き目を閉じる。大金過ぎて目眩がした。
百万や一千万とかでも金銭感覚がぶち壊れてたのに億だぞ…。
俺はパルキゲニアの物の価値に疎いが宝石ってここまで高いもんなのか?
「値段交渉の手間を省き大出費したつもりですがもう少し値段を引き上げても構いません。それ程の品々ですから」
「い、いえ!…十分です」
「なら計1億800万で買い取らせて貰います。買取金の準備が済むまでゆっくりして下さい」
震える手で書類にサインした。
気持ちがゆっくり出来ねぇ…。
「…しかし不思議です。錬成炉でこうも良質な錬成品を安定して作製して…宝石の原石の入手に至っては運が良いって言葉じゃ済まないレベルよ」
「そ、そうですか?あ、あははは」
目が泳ぐ。
「嘘が下手ね。…当社としては商品価値が高い品を卸してくれるお得意様です。これからも御贔屓にして下さると嬉しいわ」
「こちらこそ」
1億Gの大金をその日で用意できるオーランド総合商社の資金力が半端ない。
「…あ。話が変わるけど『オーランド総合商品』で農作物を保存できる収納系の魔導具って売ってます?出来れば大量に保存できる物が欲しいんですけど」
「勿論。大量となると値段は少し張りますが。…農業も始めたんですか?」
「趣味の自家栽培ですけどね」
「成る程。…今度、その野菜も持ってきて下さい。興味があるので」
あの野菜は流石のレイミーさんも引くと思うけど。
「いいですよ」
「楽しみにしてます。それと食材等を保存する魔導具で幾つか当社自慢のお薦め品があってーー」
結果を言えば一番値段が高い大型の収納系魔導具を二つ買った…とゆーか買わされた。商売上手なレイミーさんのセールストークは凄かったの一言。ありゃ騙されても分からないぞ…。
その後、札束を入れた分厚い金属ケースを数個渡され取引終了。
暫し雑談して今度は巌窟亭に向かう。買い物を済ませる予定だったが時間が押したし後回しだ。
…ちょっと急ぐか。
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所持金:1億1260万G
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