表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
結局彼は孤高に立つ  作者: ◾️
第一章 一学期
5/44

第五話 部活決め

桜の花はもうほとんど残っておらず、緑色の葉をつけて新たなる門出をした者を祝福してくれている。


あの合宿の日から一週間の時が経ち、学校の授業は始まった頃だ。授業と言っても中学校での復習、さして辛いわけでもないわけでクラスの人達はまだまだ楽しく元気に学校生活を送っている。



「昨日で中学の復習も終えたことだから、高校の単元をやってくからなー。置いてかれないよう、注意すること!」



朝倉先生の凛とした声が教室内に響き渡り、私はまだ眠たい体を何とか起こして授業に教科書に視線を送った。が、そこからすぐに数学の授業が始まらず、



「おい!大神に、上坂!起きろー!まだ開始五分も経ってないぞ!」


「……あー、すんません」


「・・・・・・」



上坂君は注意されてすぐに起きたが大神君は今も静かに睡眠を楽しんでいる。と、言うか上坂君は寝てるフリをしていただけで、大神君がマジで寝ていたっと言う話なのだろう。まだ学校始まって一週間なのだけど……。



「はぁ……大神!!サッサと起きろッ!!」


「……ッ!?びっくりしたぁ。何するんスか」


「何も糞もないだろ、君を起こしにきたんだよ」


「あー、いや久し振りにポケモンをやったら面白すぎて、ね?」


「ね?じゃない。サッサと授業の準備をしろ!」


「ういうい」



急に耳元で騒がれ、彼は体をビクッと震わせながらゆっくりと起き上がった。そして二言三言ほどブツブツ文句を言っていたが、仕方なしと言わんばかりのため息を一つ吐いて彼は姿勢を起こした。



「んじゃ、寝ずに授業聞けよ」



こうして今日一時間目の授業が始まった。すでにウトウトし始めている私と彼である。








ーー





「さて、それじゃあホームルームも終了だ。明日、部活動の入部案内を配るから、今日の放課後からは部活の見学に行っとけよ。あぁ言い忘れていたがこの学校は原則部活動には入部しないといけないから、何も入りませんは許されないぞ」


「うーん、何部にしようかなぁ?」


「あ、俺バドミントンにしよ!楽そうだし」


「私は吹奏楽かな……」



先生が言った通り、この学校では原則部活動に入部すること、と決められている。だからこの学校の部活は数打ちゃ当たる戦法で、文化部から運動部まで多種多様な種類がある。ある人から見れば天国、ある人から見たら地獄の決まり事だ。


もちろん、私は後者に当たる。



「……一応、見ておくのはいいかもね」



私は諦め七割、期待三割と言った意気込みで教室から廊下へと出て、先ずは運動部へと向かった。



外はほのぼのとした陽気な日差しが照っていた。もう冬服も終わりかな、と主婦みたいなことを考えていると、「やれー!」だとか「負けるなぁ!」と言ったヤジがテニスコートの方で聞こえてきた。何事かと足を運ぶと、そこにはテニス部の部長?と私がよく知るクラスの子が試合をしていた。



「頑張ってー!中川部長ー!」


「負けるんじゃねぇぞ、中川ッ!!」



コートの周りをぐるっと囲んで応援しているのは部長を応援している人達だけ、誰も彼を応援していない。初めはよくこんな部活が成立するものだ、と嫌悪感を持ったが、彼彼女らがそう思うのは仕方ないことなのだとスコアボードを見て思った。



中川 00 0

大神 40 2



簡単に言えば三セットマッチでセットカウント2対0。点数は45対0で大神君がマッチポイントだ。いくらテニスとは無縁の私でも、大神君がテニス部のキャプテンをフルボッコにしているってことぐらいは理解できる。そして最後に大神君のファーストサーブが先輩のコートを撃ち抜いて、ゲームセットとなった。先輩は息も切れ切れなのに対し、大神君はどこかのテニス選手かの如く借り物のラケットをクルクル回していた。先輩の方は、無残にも両膝を地面に付けて彼に土下座をしている。いつしか全校生徒が彼の前に膝を屈する未来が見えて仕方ないのだが、それは多分私の杞憂なのだと勝手に決めつけた。



「ぱ、パーフェクト負け……全国出場者だぞ……」


「何者なんだよ、あいつ……」



そんな彼に絶句している観客を私はマジマジと見つめる。いくらあの大神君でもここまで強いとは思っていなかった。多分、彼はテニス部に入るのだろう。試合はシングルスだけだろうけど。


彼の勇姿を見終えた私は、テニスコートを後にして文化系の部活を見に行くことにし本校舎の裏にある旧校舎の方へと足を進ませた。






ーー三日後



「それで、雨宮?言い訳をどうぞ」


「えっと……面白い部活がありませんでした!」




結局、私は入りたい部活を決めれずに朝倉先生から説教を受ける羽目となったが、それは次回でのお話。

はい!どうも!■(クロ)です!


中川しぇんぱぁぁぁぁぁいッ!!!負けないデェ!あなたが戦った敵は違うから!頭おかしいから!一点も取れなかったって落ち込まなくても大丈夫だからぁ!!


ってシーンも入れようかなって思ったけど、あの大神君がそれを見逃すわけがないんだよなぁ……。っと言うわけで無くしました(笑)


次回は明後日です!では!また!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ