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結局彼は孤高に立つ  作者: ◾️
第一章 一学期
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第二話 波乱のバス座席

丸一日が経ち、私はここ国立櫻東高校にいる。今日の予定を話しておくとこの後、私達はバスに乗って林間学校まで行き、そこで昼食をとる。その後は三時間ほどオリエンテーリングなる班活動。そして、夕食のバーベキューをして入浴、消灯だ。



「あーテステス。………それでは、一泊二日の課外合宿を始める。では、挨拶から」



と、アホみたいに長い開会式が終わり、とうとうバスに乗る時間となった。バスはクラス毎で別れており、AからDの計四台で合宿の予定地である林間学校へと向かう。ただ、問題があるとすれば━━━━



「席どうする〜?」


「俺は誰でもいいぜ」


「私も〜」


「じゃあ一緒に座る?」


「ごめん、女の子とが良い」



まぁ、こんな感じ。誰と横になるか、これが全員に出された問題である。仲が良い者同士で座る、グループとなって適当に座る、堂々と他人の事なんか御構い無しで一番後ろの席を強奪する。今の状況はこんな感じだろうか?


しかし、私にはそんな友達もいなければ、堂々と迷惑をかける勇気も無い。もちろん、私から誰かに声をかけて隣に座らしてもらったりするのもナシだ。ならどうするか。


一番前の席だ。


一番前の席の欠点は先生が近い、と言うこと。これは退屈なバス旅行では大きな課題となる。騒ぐ事も、携帯をいじることも、トランプで遊んだりすることもできないのだ。しかし、それらの遊びは二人以上の人間が存在してから始まるのだ。一人の私からしたら微塵も関係ない。よって、この席は一人静かに過ごすには素晴らしいボッチにオススメのスポットである。



「天宮、お前酔いやすいのか?」


「いえ、別にそう言う体質ではありませんが?」


「なら、後ろに行ったらどうだ?」


「お構いなく」


「……そうか」



第一関門クリア。これで、バスが発車すれば完璧だ。が、その前に二つの問題が発生した。一つ目は私の隣に人がやって来た。



「あ、あの……隣……良いですか?」


「……別に構わないわ」


「あ、ありがとう」



名前は知らないが、茶色の髪をした小柄な女の子。容姿は悪くはない。多分、私と同じ一人なのだろう。だから近づいて来た。が、私からしたら迷惑な話に変わりわない。仕方なしにため息を一つこぼし、私は窓の外を除きながら嘆息しながら時間が経つのを待ちぼうけた。


そして、次なる問題。



「あぁ、そうだ。この宿泊行事の時は携帯を預からしてもらう。今から回収するから出してくれ」



携帯、電子機器の没収だ。理由はわかる。スマホばかり触って輪を広げられない可能性があるからだ。説明時は豊かな自然と向き合う為とか言ってるが本当の理由はそうだ。これがなぜ問題かと言うと、時期にわかる。



「えぇー!スマホ没収!?何でっスか!」


「先生〜!それは酷いよ!萎えるわ〜」



ほら、こうやってうるさい発言が飛び交う。問題と言ってるがさほど大袈裟な事ではない。ただ私がこう言った空気が苦手なだけである。


私は少しの興味本位で入学式の日に見た黒髪の少年の方を見やる。好奇心、興味、と言うのは怖いものである。知らぬが仏と言う言葉があるように、無駄なことに首を突っ込んでしまって大変なことになってしまう。正に今の私がそれだ。今回、彼が選択した席はバスの中央の列の席。窓際に座ってただひたすらと外の景色を眺めていた。


私は少し安堵して、同じようにまだ動かない景色を見始めた。数分後に携帯の回収が終わり、バスに乗ってから十分ほど経った時、バスがゆっくりと動き始めた。この後のバスでの一時間半は私にとって楽しくも辛くもない時間だったと伝えておこう。





ーー





「━━━━━これより、班活動を行ってもらう。そしてここから予定と少し変わるが、その班のメンバーのままバーベキューも行ってもらおうと思っている。急な変更すまないが起点を利かしてくれ」



司会の朝倉先生の話のもと、オリエンテーリング兼バーベキューがスタートする。名前順で一クラス六班に分けられ、オリエンテーリングとバーベキューを成功させるために奮闘する。しかし、ここでも私は厄を引かされた。



班の中に問題児が一人。周囲をうざったい目で見ている黒髪の少年がいた。

はい!どうも!■(クロ)です!


バス座席、一回は揉めたことがあると思います。ですが、そんな席決めでも唯一の穴場スポットがあるのですよ!それが前列です!因みに、大神君が座った中央の窓際、これも中々いい席ですよ。


さて、次回は明後日の夜九時を予定していますのでお楽しみに〜!



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