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迷宮アカデミア ~咲き誇れ、きざはしの七花~  作者: 悠戯
七章『終末論・救世機関』

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つよいぞ! ぼくらのデストロイ号

「そうそう、いい感じ! うん、なかなか格好いいじゃないか!」


 第三迷宮から戻ったレンリ達は、特にこれといった問題もなく攻略に用いるための船と、ついでに釣り竿を入手しました。大きな河に面した学都には、漁業者や一般の釣り人向けに船や漁具の販売やレンタルをしている業者がいるのです。大きすぎず、小さすぎず、頑丈な造りの小舟を手に入れることができました。

 四人乗りの手漕ぎ式ボート。

 三人用ではないのは、迷宮に荷物を持ち込んだり、探索中に入手した宝物や食材を載せるのを見越してのことです。ごく普通にお金を払って購入しただけなので、船そのものについては特に言うことはありません。


 しかしレンリは、自分達のボートを購入したその足で、職人街の防具工房に向かいました。

 いくら頑丈な物を選んだとはいえ、木製のボートでは迷宮の攻略に不安がある。そこで鋼板やら何やらで船を補強することを思いついたのです。それだけなら、まあ魔物対策としては然程おかしいわけでもありません。



「いいね、親方! もっとトゲを増やしてみようよ。すごく格好いいと思うんだ」


「おおよ、お安い御用だ! せっかくだから衝角ラム突撃ができるように船の先っぽにも手を入れてみるか?」


「うんうん、実にいいじゃないか。予算なら心配しなくていいから、じゃんじゃんやってくれたまえ!」



 ですが、ここで少々やりすぎました。

 あれこれ注文を付けているうちにレンリが趣味に走り始め、なおかつ似たようなセンスの持ち主だった工房の親方や職人衆と意気投合して、ボートの原型が分からなくなるような改造を始めたのです。

 もはや「補強」とはとても呼べません。ちなみに、話題についていけないルグとルカはこのあたりで先に帰宅しています。



「よっしゃ! そんじゃあ、明日の朝までには仕上げとくからな!」


「ああ、頼んだよ」



 結局、デザインがまとまったのは日が落ちてだいぶ経った頃。実際の作業は親方達に任せて、レンリは意気揚々と帰宅の途に就きました。






 ……そして翌朝。



「うわ、なにコレ最高!」


「最高……か?」


「さ、さあ……?」



 世にも奇妙な、なおかつ異常に攻撃的なデザインに仕上がった船を三人は目の当たりにしました。

 船の横腹や下部に生える無数のトゲ。船の先端には武器工房から都合してもらった大剣を加工した衝角モドキ。本当に水に浮くのか不安になってくるほどびっしりと張り付けられた分厚い鋼板。もちろん全体の錆止めもバッチリです。

 ルカの怪力で漕いでも大丈夫なように、丈夫な上に多少変形しても元通りになる魔法合金で専用のオールまで造ってもらいました。



「ふう、おかげさんで良い仕事ができたぜ」


「ああ、まさに理想通りだとも。よし、この船はデストロイ号と名付けよう!」



 ドワーフの親方は徹夜明けで疲れ切っているはずなのですが、とても良い笑顔を浮かべています。



「ただ、ちょっと重くなりすぎちまったかな。これ、たしか迷宮で使うんだろ? 中までは無理だけど入口んとこまでは若い衆に運ばせようか?」



 重量の大半は船本体ではなく大量の補強材。

 恐らく軽く一トンは超えているでしょう。



「あ、それは大丈夫。ルカ君、お願い」


「うん……よいしょ、っと」


「おお、こりゃ大したもんだ!」



 まあ、その程度ならルカにとっては重いとも感じません。



「じゃあ、ありがとう親方。また何かあったら頼むよ」


「おお、毎度あり!」



 船を担いだルカと他二人は人やモノにぶつからないよう注意しながら、そのままの足で第三迷宮へと向かうのでありました。




結局、パソコン買い換えました。キーボードのサイズが微妙に変わったのもあって、まだちょっと新しい操作感に慣れないですね

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