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迷宮アカデミア ~咲き誇れ、きざはしの七花~  作者: 悠戯
七章『終末論・救世機関』

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空と海の迷宮

ちょっと短め


「はい到着、っと。前の時の半分くらいで来れたかな?」


 戦力の大幅増加。主にルカの大パワーアップのおかげで戦闘に要する時間がほとんどかからず、今回の行程は非常に順調なものとなりました。久しぶりの迷宮探索、かつ特に急いでいたつもりもないのに、以前第三迷宮を攻略した時と同じ地点までおよそ半分の時間で到着したほどです。

 ここから先の未踏区域に関しては流石に同じペースで進むことは、アクシデントへの用心やそれ以外の意味でも無理にせよ、非常に良い形で迷宮探索の再開ができたと言えるでしょう。



「じゃあ、ちょっと早いけど今日は引き上げようか」


「だな」



 まだ時間にも体力にも余裕はありますが、本日の攻略はキリの良いところで中断することとなりました。道々集めていた海の幸や果物が持ち切れなくなってきたという理由もありますが、この中断地点より先に進むためには特別な準備をしなければならないからです。


 第三迷宮『天穹海』のスタート地点から現在地までは、言わば迷宮の玄関口。

 ここまでは細長く延びる岩礁を伝って海に点在する島々を渡ってきたのですが、以降は足場となる岩礁が存在しない海が広がるばかり。必然、船や魔法や、何らかの海を渡る手段がなければ先に進むことはできないのです。

 また、その海というのも迷宮外のように真っ当なものではありません。

 海のある地点から樹木が枝を張るような形で、海水の道が天に向かって伸び伸びと延びているのです。つまりは第二迷宮でもあったような重力の変異現象。『天穹海』という名にも相応しい、天空へ向けての航海こそがこの迷宮攻略の本番ということです。



「木を組んだだけのイカダじゃ不安だし、小さくてもちゃんとした造りの船を用意しないとね。流石に最新の魔道船とはいかないけど」


「まあ、ここまで持ってこれないと意味ないしな」



 流石にレンリ個人の財力ではちょっと厳しいですが、彼女の実家を頼れば外洋航行が可能な大型帆船の一つや二つくらいは手に入らなくもありません。

 しかし、そうした大型船というのは熟練の船員が大人数で動かすのが前提であり、この第三迷宮に船だけ持ってきても動かせませんし、そもそも迷宮の入口である聖杖の中に入りません。自分達で造船技術を学んで、持ち込んだ木材を迷宮内で組み立てるというのも、まあ現実的ではないでしょう。


 なので、持ち込む船は基本的にボート遊びに使うような手漕ぎ式の小舟となります。第三迷宮の攻略をしている冒険者や、シモンやライムにも尋ねてもみましたが、実際ほとんどの者はそうした船を用意していったそうです。

 例外としては、飛行の技に長けた鳥系の獣人や海を凍らせて足場を作れる氷魔法の専門家、そもそも溺れる心配がない人魚族など。いずれもレンリ達に真似ができる方法ではありません。氷の魔法にも色々な種類があって、レンリが使う氷の術だと凍らせる範囲の細かなコントロールが難しく、魔力の消耗が多くなりすぎてしまうのです。無理に真似をしても、海の真ん中で魔力が切れて立ち往生するのがオチでしょう。


 人が担いで持ち込める程度の船では魔物と遭遇した場合に不安ですが、流石に問答無用で船を破壊してくるような大物はかなり奥に行かないと出てこないようになっています。

 それでも不安定な足場での戦いを強いられることに違いはありませんが、それもあるいは船上では戦えないと文句を言うような軟弱者は第四以降の迷宮に進む資格がない……という、第三迷宮の守護者からの無言のメッセージなのかもしれません。もし本当にそうだとしたら、たしかに創造主から問題児扱いされるのもやむ無しな過激さではありますが。



「せっかくだから、ついでに釣竿も買って船釣りでもしてみようか? 浅瀬でもあれだけ色々採れるんだし、深いところだったらすごい大物がいそうだろう」


「あ、じゃあ、わたし……料理、するね」


「おいおい、あんまり気を抜きすぎるなよ……でもまあ、何があるか分からないし、食料調達の手段は多いに越したことはないか」



 そんなこんなで早めに引き上げた三人は、迷宮を移動するための小舟やら釣竿やらを買うべく早速街へと繰り出すのでありました。


◆最近、PCの調子が良くないのでしばらく更新ペースが遅くなるかもしれません。もう七年くらい使ってるのでそろそろ買い替え時かとは思っていたんですが、普通に文字を打つだけでもちょくちょくフリーズしそうになるのは流石にキツイ。重要なデータのバックアップは取っているので、壊れても多分なんとかなるとは思いますが。

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