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mirror in the world 9 -As strange as a morning-


「ん~むぁ、よく寝たぁ……。 …あれ?」



見慣れない天井。

それも妙に高い…。


あ、そうだった、なんか変な世界にトリップしちゃったんだっけ。


なんだったっけ、確か9時にエントランスにレン達と待ち合わせだっけか。


今何時だろう、と思って頭の横の時計をチラッと見る。


チラッ…


「…ん?」


思わず2度見してしまった。


「…5時??? …朝、だよね???」


ただいま、早朝の5時であります。





*    *    *    *




暇だ暇だと時間を浪費するのもあまり得策ではないと思ったので、とりあえず見物も兼ねて街中を走ることにした。


部屋にあったカジュアルな格好に着替え、マンションを出る。



まだ早朝と言うこともあってか、街は静けさに包まれていた。


迷子になっても困るのでマンション近郊のみだが、ものすごく楽しかった!


うーん、このお店は花屋かなぁ、こっちは…。


みたいに、予想しながらあちこち見て廻るの。


『向こうの世界』は大体見た目で何を扱っているか分かりそうなものだが、こっちの世界はと言うと。


どのお店もカラフルで見た目だけでは何のお店か分からない。

可愛くて見ていて飽きない。


「…っと、もう7時か。 もうそろそろ戻らないと」




*    *    *   *



という訳で戻ってきた。


お腹すいた。朝ごはん作って食べよう。


思い立って冷蔵庫を開ける。


えーと、中身は…。


パン。

卵。

牛乳。

バター。

蜂蜜。


これはまるで。

冷蔵庫が「フレンチトースト作ってよ!」といっているようだ。


しゃーない、作るか!


鼻歌を歌いながら、作業をこなしてゆく。


そのうち、フレンチトーストが焼ける甘い香りが部屋中を満たしていく。



「よしっ! できたっ! おいしそ~♪」


一口、口の中に放り込んでみる。

甘ったるすぎず、おいしい。

うん。我ながら最高の出来だ。



あっという間に食べ終わってしまった。

いまは7時半。 洋服着替えてエントランス行くか。

私は、昨日の格好に着替えて一冊そこらへんにあった本を持って下に下りた。







*   *   *   *




「やっほサリアス! 相変わらず待ち合わせには早いね、あんたは!」


エントランスに下りて15分ほど経った頃だろうか、2人が向こうからやってきた。


「どう? 魔適試験をすぐそこに控えた今の気持ちは」

「うーん、楽しみ、かな?」



*    *    *    *



ヘイゼルビーストのアジトに着いた私はすぐに奥の部屋に通された。


扉の前までは2人が着いてきてくれたが。

「じゃ、サリアス頑張って」

「私たち応援してるよ!」


「え!? 来てくれないの!?」


「うん…。 魔適試験はマスターと2人っきりで、って決まりだから」


あーそうですか。



扉を開ける。

そこにいたのはーーーーーーーーー



「あなたがサリアスさんですか」

水色、だった。

ゆったりしたローブを着ていて、大きな眼鏡から覗く瞳は大きい。

年頃は私より1,2上、といった感じだろうか。


「私はシリア、と言います。 今後ともよろしくお願いしますね。 あの二人から話は聞いていますよ…何せ二人が何かあるごとに私にスカウトするように勧めていた方ですから」


そうなんだ。

そんなに需要あったんだ、--とか考えている。


「という訳で、あなたはもうこのギルドに入る資格があるのですよ、と言うか入ってください」

「…えぇ、もともと入るつもりでここに来たわけですし。 …あの、『魔適試験』、と言うのは…」


シリアさんがまぁ、といった風な表情を見せた。


「あら、そこまで聞かれてましたか。 なら簡単です。 此方へ来てくださいーー」


私はシリアさんに誘導されるまま大きな球体の前に来た。

なんかこの球体、存在感がない色をしている。


「これに手を翳してください。 こんな風に」


シリアさんがローブをまくり、手を翳す。

するとーーーー




これまで存在感がなかった球体が真紅に染まった。


「マジックの素質がある人がこれに手を翳すと、使える属性によって色が変わります。 私のような火属性は赤に、風属性の人は緑、と言う風に。 サリアスさんは何色になるんですかね、楽しみです」


さあ、とシリアさんが急かす。


私は促されるままにその球体に手を翳した。

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