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mirror in the world 6 -Self-introduction-

「う~ん、なんか申し訳ないんだが、ここ何処? 私誰??」


私の目の前にいる紫と群青色に尋ねる。


はっ、としたように目を見開く群青色。


「え…?? 憶えてないの…!? あたしの事も、レンの事も、此処も!?」


嘘でしょう、と彼女がぺたんと床にへたり込む。


「そりゃ、そりゃさぁ、無事じゃ済まないとは思ったよ。 だって…怪我、酷かったし、お医者さんには『生きてたのが奇跡だ』位にも言われてたし、なにより、頭打ってたし、一ヶ月くらい起きてこないしっ…」


群青色が言葉を紡ぎ出すのと比例するように、彼女の瞳のふちには涙がたまっていく。


…確かに、言われてみれば後頭部が痛いような気も、するかな??


「し、心配したんだからぁ…。 …っ~~~!!!!」


群青色が泣きながら私に抱きついてくる。

ちょっと、単純に痛い。


そんな様子を見かねた紫が助けてくれる。


「ねっ、ねぇエルド落ち着いてよっ、サリアスが困ってるって!!! …ごめんね、毎度だけど。 …ねぇ、本当に憶えてないの? 全部?」



「う~ん…。うんそうだね。何で自分がここにいるのかさえわかんない。 …君たちは私のこと、知ってるんだよね??? 教えて、ください」


「…うん。まずは名前ね。君は、サリアス。『サリアス・アングレーシア』」


一瞬の表情の変化。何かあったのかと、思う。

しかしその表情がどの感情に分類されるのかは、私には分からなかった。


「サリアス…アン、グレーシア…。うん、私はサリアス・アングレーシア」


どうやら私はサリアスという名の女性になってしまった、らしい。


「で、僕ね。僕は、レン。 で、向こうの彼女は、エルド。 これから…記憶が戻る間だけでも…よろしく」


「はぁ…」


記憶が戻る間だけ、か。



「さらに、ここ。この場所は、ラタスって町の一角。う~ん、ここは、ねぇ…。」


レンは此処で言葉を切った。


「ここは、僕達の家であり、憩いの場であり、」


さらにエルドが言葉を受け継ぐ。


「ギルド『ヘイゼルビースト』の拠点(アジト)だよ!!」


どうやら、私の安泰な高校生活は終わったようです。

でも、なんだか楽しいのは、この気持ちはいったい何なんだろうか?


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