mirror in the world 5 -Encounter-
う~~ん…。
頭痛い…。
…あ!!! 私、落ちて、それから…?
あれ…、どうだったっけ???
「お、起きた??? 大丈夫?? サリアス。…あ、ちょっと待ってて、今エルド達呼んでくるね!」
どうやら私は夢を見ているらしい。
今私に話しかけて出て行った人は…、見間違うわけが無い。
顔が玲王そっくりだ。 …その割には、話し方が柔らかくて、…とにかく、違和感があったが。
でも、玲王は金髪に染めていたはずだが。
今の彼は、…髪の毛が、紫だった。
まさか、学校の途中で抜け出してわざわざ染めに行くわけないし。
改めて、周りを見回してみる。
テントのような室内。 少なくとも学校…ではなさそうだ。
どんな雰囲気かと言えば、エキゾチックである。
私の着ている服も…制服では、無い。
薄紫のサリーのようなものだ。 一枚一枚の生地が軽く透けるが、少しずつ色味が違い、それが何ともいえない美しさをかもし出している。 そして、胸元には綺麗な私の水晶が付いている。
室内観察をしていると、鏡を見つけた。
それを覗き込む。
「え…!? 嘘でしょ? これ、誰よ? ありえないんですけど…」
それは、あの時見たあの女性の顔と酷似していた。
それ以外に違うのは、私が背中の真ん中くらいまで伸ばしていた黒髪が、スッキリ色素が無い銀髪になっており、さらには腰を遥かに超える長さになっている。
それに、瞳も銀色。 だけど、角度を変えると薄紫だったり水色だったりいろいろな色に見える。
「サリアスー!! エルド連れてきたよ~!」
「えと、あのそんなに叫ぶようなことでもないような気が…。まぁいっか。 だいじょうぶ? サリアスいきなり倒れたんだから…。 びっくりしたよ。 でも、私がレン呼んだのは正解だった、かも」
エルドと呼ばれる人は、私の友人、梨恵とそっくりだ。
彼女は群青色の髪と瞳をしている。
いったい何なんだ。何が起こったの???
誰か説明してよーーーーーっ!!!!