mirror in the world 4 -Beginning-
(毎度ですが)1,2,3話を読んでくださった方ありがとうございます!!
このお話もぜひよろしくです!!!
…どしゃっ!!!
「あ~いたたた…。 てあれ、梨恵さん???」
私が落ちたところは教室…?のようだ。
ただし窓の外は真っ暗で、夜だとしても月明かりも、目を凝らしても建物の影さえ見えない。
じゃぁ、この微かな光は何だ?
見ると教卓にはランプが置いてあり、そこから心許ないが柔らかな、暖かで少し冷静になれるくらいの光が私の足元までぎりぎり届いている。
何より私の目線を引いたのは、
「…何?鏡…?何でこんなところに…」
およそ教室に不釣合いな、美しい、鏡である。
それは大きく、姿見のようだ。
ふちには目立たず、それでいて鏡の輝きをさらに引き立てるような装飾が施されている。
にしても、制服が砂っぽい。はたきたい。
そう思い、何気なく鏡の中の私を見た。
「……は?」
本当は埃まみれの私が映っている筈の鏡の中には、
美しい女の人が、両手を広げていた。
顔立ちはすっきりと整っており、その銀髪がとても映える。
完璧なプロポーションの上にはふわふわしたワンピースを身に纏っており、これまた彼女の可憐な雰囲気を際立たせている。
私は一旦彼女から視線をはずし、足元を見る。
うん、しっかりと制服に上履きだ。
きっと今のは特殊な状況が生み出した私の幻覚だ、そうだよきっと!
そう思って目を擦り、鏡に目を遣り。
「……変わらん」
相変わらず彼女はそこにいて、誘う様なポーズを取っている。
彼女の少し薄い綺麗な唇が微かに動いた。
おいで、こちらに…と。
その唇の動きが何を言っているのか理解する一瞬前に、私の意識は窓の外に吸い込まれた。