表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/1

第二話(仮)

嫌いなもの。それもたやすい質問だった。

「ブサメン。オタク。肉体労働。ダサい服。おっさんの説教」

「ブラボーだ。実にブラボーだよ。どれもこれもコレクト。オールコレクトだ。そして、もうひとつ次元の高い抽象概念で言うならば。OLはダサさ、汚さ。うざさを嫌っているとも言える。全く高慢ちきで鼻もちならない連中だと思わないか」

 僕は小池課長に同意しようにも、そこまで積極的にOLのことを悪く言う理由もなく、黙っていた。小池課長は構わずにしゃべる。もしかしたら僕の沈黙を同意だと解釈しているのかもしれない。

「小池ダンス」

 不意に小池課長が発した言葉に僕は「えっ」と短い言葉で聞き返した。

「覚えているか。小池ダンスを」

小池ダンス。

記憶がフラッシュバックする。あれは一昨年の忘年会。各課でひとつづつ余興をしなかければならないことに決まり、僕の所属する総務課も、余興を何にするかでミーティングを開いた。ところ、通常一時間はかかるミーティングがその日は五分で終了した。小池課長が自信満々の体で「出し物は私が一人でやる」と言い放ったからだ。何をするんですかと聞いても、ふふふと不敵に笑うばかりで教えてくれなかった。僕たちは若干の不安を感じたものの、小池課長があれほど自信満々なのであれば、ここはひとつ全面的に信頼してまかせようという結論に達した。

忘年会当日、部長の「えー。みなさん今年も残すところあと一週間となりました。…それではかんぱーい」という挨拶の後、しばし談笑を経て、いよいよメインの各課の出し物の時間となった。総務課の、小池課長の出番は三番目だった。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ