宇宙の天秤
我らを裁き給え
宇宙の天秤よ
我らを裁き給え
我ら罪の輩なり
放逸の侭に罪を重ね、されど認めず
死骨を褥とし身を横たえる者なり
我らを裁き給え
宇宙の天秤よ
我ら偽りの裁き司なり
己が無辜を疑うことなく
同胞を貶めて憚らぬ獣の群れなり
我らを裁き給え
宇宙の天秤よ
我ら、己が内に巣食う狭量のこころを欺き、我が生に咎なしとのたまう愚かに、みすみす糧を与うる者なり
我らを裁き給え
宇宙の天秤よ
我ら自らの欠けたるを知らず、優しさの贄をばかり求むる傲慢の似姿なり
我らみな罪人なり
相互いに汝こそは罪ありきと責め争い、己が罪には斟酌の由語るを止むことなし
宇宙の天秤よ
我らの罪 もはやヒトが裁くこと能わず
その数の星屑より多いがゆえに
その深さの闇夜より深いがゆえに
宇宙の天秤よ
宇宙の天秤よ
我らに裁きを下し給え
我欲の腐れた甘い臭いを
今も滴る欺瞞の露を
血に溶けた残虐の胤を
排撃に堕した雄弁の末子を
それらみな焼尽せしめ給え
そしてヒトの罪のしるしを 永劫空より照らし続け給え
宇宙の天秤よ
宇宙の天秤よ




