表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
無職日記  作者: 松茸
96/113

10/7 久しぶりに麻雀とか

 毎朝9時半くらいに日記を上げるようにしていたが、今日は起きてみるとなんと11時であった。これでは時間をさかのぼらないとルーティーンを守ることはできない。しかしそんなことはスーパーヒーローでもないただの無職には不可能なことなので、素直にあきらめることにした。そういう日もある。何かを守り続けていくことも大切だが、それに囚われてはいけない。人生は臨機応変に立ち回らなくてはならないのだ。


 こんなことになってしまったのも昨日の疲労が原因だろう。昨日は半年ぶりくらいに麻雀を打っていた。7時間くらいぶっ続けで。中国から一時帰国した怪しい友人と共に。そのせいか肩も痛いような気がする。腕を振りすぎたかもしれない。


 私は学生時代は麻雀に明け暮れていたが、いまはもうほとんど打つことはない。仕事と同様にほぼほぼ引退の身である。麻雀は覚えたては面白いものだが、長く続けていると結局のところ、ある地点から先は上達することはないのだという厳然たる事実に気づかされて失望することになる。熱意が失われる。そうなると勝負事で勝つことは難しく、続けることも困難になってしまう。


 昨今はMリーグなどでまた麻雀人気が高まっているようだが、麻雀プロは他のジャンルのプロからしてみたら到底プロとは呼べないようなひどいレベルなので、あんなものをありがたがって見ている人間がいるとは私には信じられない。


 女子プロの岡田紗佳はよくテレビにも出ているが、それは彼女の見た目がいいからであって、麻雀プロが世間的に評価されているからではない。他の麻雀プロがテレビ出演しているのなんて見たことないし、岡田紗佳は頑張ってテレビで麻雀ネタを話そうとしているが、スタジオの反応は冷ややかなものである。麻雀プロとして呼んだのだからもっと反応してやれよと思う。しかし周囲に麻雀がわかる人間がいないのか、いてもわざわざ対応しないのか、彼女の発言は流されていくだけである。そんな光景を見ていると居たたまれなくなってしまう。


 麻雀は昔は悪いイメージがこびりついていた。私が仕事を始めた時、上司に趣味はあるのかと訊かれて麻雀ですと答えたら、「麻雀ってヤクザがやってるやつでしょ」と言われたことがある。ほんの20年前くらいはそういうイメージがまだ残っていた。いまでは健全になってしまったが、そうなると逆に麻雀の本質からは遠ざかってしまったような気がしないでもない。


 麻雀というのは健全な競技ではなく、あくまでギャンブルなのだ。競技として扱うには不完全な部分が多すぎる。それが麻雀の魅力でもあり欠点でもある。どれだけ頑張っても将棋や囲碁のようにはなれない最大の要因でもある。選手も解説も誰も麻雀のことなどわかってはいない。見えない部分、不確定な部分が多すぎる。だから勝つのも負けるのも結局はたまたまということになる。すべては運に左右される。それでは将棋や囲碁の地位を得ることはできないだろう。


 しかし素人目線で見ればありがたいものでもある。初心者と中級者などが互角に戦える。ルールは多少複雑に見えるが、やってみればなんとなくでわかる。だから入りやすいし、続けやすい。麻雀を通じて友人などができることもある。私も仕事を辞めてからは、その後の付き合いがあるのはほぼ麻雀関係の友人ばかりである。


 大学4年のとき、私が落ちこぼれのクラス(通称2クラ)に配属されたとき、最初の自己紹介で趣味は麻雀ですと宣言した。するとその後、ふたりの人物が話しかけてきた。僕たちも麻雀やるんですよ、よかったらこれから一緒にやりましょうと。初対面のふたりと朝まで打った。彼らとは20年が経ってもいまだに連絡を取り合う友人である。


 麻雀はコミュニケーションツールとして非常に有用である。


 学生などは積極的に活用していくべきだろう。


 無職はそう思う。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ