7/6 イカゲーム
イカゲームのシーズン3を観た。
ネットフリックスで放映されている韓国ドラマだ。
シーズン2が昨年末に放映されたがすごく短かったのを覚えている。ゲームの途中で終わって消化不良だったが、その続きからということだ。あれから半年が経ったのだ。内容もおぼろげになっていたが、これで最終章らしい。
結論から言うと、シーズン1が一番面白かった。大抵の海外ドラマはそうだが、シーズン1がピークであとは下降していくばかりである。プリズンブレイクなんかもそうだ。シーズンが10程度続いているものは面白さがかなり維持されていて、途中でシーズン1を超える内容のものもある。でもそういうのはまれなケースだ。
イカゲームはギャンブルを題材にしている。私もろくでもない中年男性のひとりとして、ご多分に漏れずギャンブルはたしなむ。競馬や麻雀などだ。パチンコやスロットはやらない。よく朝からパチンコ屋に並んでいる人間を見かけるが、彼らは一体何をやっているのだろうと思う。
機械相手のギャンブルというのは本当に何も生み出さない。虚無しか残らない。ある意味では命よりも大切な金を賭けるのであれば、その対象はせめて価値のあるものであってほしいと思う。私が競馬を好むのはそれが理由だ。
馬はとても魅力的だ。美しく、雄大で、神秘的だ。騎手だって命懸けの職業だ。500キロを超える競走馬の背にまたがって時速60~70キロという猛スピードで馬群を駆け抜けるわけだから、途轍もない技量と度胸が要求される。トップジョッキーなどは本当に尊敬に値する。だからウマ娘のCMで武豊やルメールを見ると「トップジョッキーに何やらせとんねん」と思う。
競馬は馬が走るのを見ているだけでも楽しい。レースごとに展開や駆け引きがあり、何も賭けていなくても楽しめる。賭けていればもっと楽しめる。競馬では何千万円も使っているが、後悔はない。後悔しているのは競艇だ。負け額は400万円くらいだが、これは本当に後悔している。競艇だけはやってはいけない。あれはすべてを損なう。
なぜ競艇をやってはいけないかというと、これは365日朝から晩までレースがあるからだ。始めたらキリがない。競艇場は日本全国にある。毎日そのなかで何会場もが開催され、ギャンブル依存症の人間たちからなけなしの金を搾り取っている。いまはネット投票で簡単に買える。彼らは次から次へと賭けさせようとする。一時的に勝ってもそんなものは何の意味もない。どうせ次のレースでなくなる。
競艇は1レースの価値というものが極めて低い(あるいは等価である)のが問題なのだ。レースも単純だ。6艇しか走っておらず、内から順に勝ちやすい。だから素人でも勝てそうな気がする。でも結局は勝てないようになっている。オッズというのはそういうものだ。競艇は膨大な時間を費やして何も残るものがない。中毒性が高く、容易に依存症患者を生み出す。きわめて危険な遊戯だが、CMなどでは爽やかな雰囲気を装っている。スマホで簡単に賭けられるから、こういったものに軽い気持ちで手を出した人間が結果的に身を持ち崩して闇バイトなどに手を染めるケースも多いという。
ギャンブル自体は人間の本質であると思う。生きているだけでギャンブルのようなものだし、私のように40過ぎて無職になるなんてのはまさに一か八かのギャンブルである。だがそれはただの選択と決断であって、それ自体に善悪はない。問題になるのはギャンブルにのめり込み、自分と他人とを損なうことだ。他人を損なうことは論外だが、自分を損なわないようにすることが大切だ。それができないのであればギャンブルには手を出すべきではないだろう。
これからギャンブルをやろうとするものがいたら、まずは止めたほうがいいと忠告する。私は他人にギャンブルを勧めたことはない。ギャンブルとは利益を得るために行うものだが、結局のところ、それをやらないことが一番の利益になるのだ。それは間違いない。無職が言うのもなんだが、仕事をして稼いだお金というのは貴重なものだ。それはギャンブルなんかよりももっと価値のあるものに使うべきだと思う。
もし競艇をやめられない人間がいたらいい方法を紹介する。ネット投票でのログインパスワードを自分でもわからないようにグチャグチャにしてしまうのだ。適当にキーボードを叩いて、わけのわからないパスワードを設定する。そうすればもうログインはできないから、賭けることもできないというわけだ。私はこの方法で競艇をやめた。そのおかげで休日に朝から晩まで賭け続けるという不毛な時間から解放された。いまは無職だから危険極まりない。無職が競艇に手を出したらあっという間に破産してしまうだろう。
イカゲームのせいでなんだかギャンブルの話ばかりになってしまった。
明日はもっと明るい話をしよう。