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無職日記  作者: 松茸
25/110

7/28 ※個人の感想です

 テレビ通販の「※個人の感想です」はどう考えても嘘だ。


 嘘はよくない。お金をもらって商品を褒めているタレントが純粋な個人の感想を言うわけがない。そこには目に見えない圧力があり、要請があり、忖度があり、打算がある。そんなことはみんなわかってる。


 でも※をつければそういった意見や批判をやり過ごせると思っている。


 これはあくまでも個人の感想なんですよ。


 商品の紹介番組で、偶然にもみんな商品を手放しで褒めていますが、これは誰に強制されたわけでもなく、彼らが自分の意志で自発的にしゃべっているんです。だからとても信用できますよね。生の感想なんですから。


 ね、そうでしょう? こんないい商品を見逃す手はありませんよ。


 さあみんな買いましょう。電話してください。番号はこちらですよ。


 というわけなのだが、この茶番もこれはこれで面白かったりもする。実際によさげなものも多く、私のような単純な人間はすぐに騙されてしまう。つい先日も座っているだけで体幹が鍛えられるというクッションを危うく買いそうになってしまった。


 え、座ってるだけで?


 などとタレントみたいなことを口走ってしまう始末だ。無職は孤独だからよくテレビとしゃべる。テレビが唯一の友達と言っても過言ではない。誰もいない部屋でお笑い番組を観て笑い、ツッコミを入れる。寂しくなんかない。私にはテレビがあるのだから。


 ところで、4か月も更新していなかった『魔王と勇者』の最新話を上げた。書きかけのものがあったので、それに少し手を加えて仕上げてみたのだ。


 これはギャグ全開の話である。とにかくギャグを書こうという単純な思いつきだけで書き始めたもの。1日で8話くらい一気に書いて、そのまま飽きて放置していた。でも読み返したら意外に面白いと感じる。可能性を感じさせる作品だ。たぶん。続きが思いついたら書いてみるとしよう。


 ギャグ漫画で私が一番心に残っているのは『神聖モテモテ王国』である。


 いまはもう滅多に見かけることはないが、これは最高に面白いギャグ漫画で、センスがずば抜けている。名言も山のようにある。「死ね、この脇役! 貴様の死を通じて人間的に成長してやる!」はもっとも有名な名言ではないだろうか。


 物事の本質的な部分を理解していなければ、人の心に残るギャグを生み出すことはできない。笑いには人生の本質があるのだ。だから単純なセンスだけではダメで、そこに深みを与えるのは人生経験である。そう考えると、無職のおっさんがギャグを考えるのも理に適っているのではないか。


 なんとなくそんなことを思ってみた。



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