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無職日記  作者: 松茸
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7/5 コーヒーと政治

 毎日コーヒーを飲んでいる。


 無職のくせに生意気ではあるが、インスタントではなくドリップコーヒーだ。豆をひいているわけではないので許していただきたい。以前はハマヤのブルーマウンテンNo1ブレンドとかいうまあまあいい値段するインスタントのコーヒーを飲んでいたが、ドリップコーヒーを飲み始めてからはもう飲むことはなくなってしまった。こちらのほうが美味いからだ。


 とはいえ、それはモノによる。いろいろと試してみたが、私のお気に入りはスターバックスのものだ。実店舗に足を運んで仕事や勉強をしているフリをすることはないが、ドリップコーヒーだけは毎日飲んでいる。だがこいつがなんか異常に高価なのだ。1箱に4つしか入っていないのに700円近くする。以前は5つ入っていたと思うが、いつの間にか減らされてしまっている。昨今の物価高騰には驚くばかりだ。


 これはきっと政治のせいなのだろう。漠然とした感覚ではあるが、私が子供の頃と比べて、日本の社会というのはどんどん悪くなっているような気がする。物価は高騰し、かといって給料は上がらず、治安も悪くなっている。何もいいことはない。SNSの進化は貧富の格差をあらわにして絶望する人間を増やすばかりで、そういった人間が後先考えず犯罪に走る。大抵の悩みはお金があれば解決できるわけだが、いまの日本はそれが十分に人々に与えられていない。それってやっぱり政治が悪いからなんだよね。


 でも今度の参院選はちょっと面白くなりそうだ。


 今までは「どこに入れても一緒やんけ」とみんな思っていた。私も思っていた。でも流れが変わりつつある。いよいよ日本が危機的状況に陥っているということをみんなが認識し始めたように思う。YOUTUBEで見たのだが、いま若者の間では「1票には実は2票分の価値がある」という話が流行っているらしい。それはつまり、自分がA党の政策に不満がある場合、対抗のB党に1票を投じれば、A党はB党に勝つために2票が必要になるということだ。当たり前の話のようだが、いままで選挙に行かなかった人間がこれを行うことには大きな意味がある。私も今年は投票に行こうと思う。日曜日は競馬をやらないといけないから、期日前投票で。


 コーヒーの話に戻るが、スターバックスのドリップコーヒーがオススメなのは形状による部分も大きい。不思議とスターバックスのものでしか見たことがないのだが、ドリッパーの底がカップの縁よりも上部にくるように設計されているのだ。これがとにかくいい。他のものはカップの中に入っていくような形状なので、よほど底が深いカップを使わないかぎりはお湯を注いでいるうちにドリッパーの底が液面に触れることになる。これがなんか気持ち悪いというか、いただけないのだ。そのようにして淹れたコーヒーはおしなべて風味のバランスが悪いように感じる。気のせいかもしれないが。


 コーヒーを飲むと文章を書くのがはかどるように思う。だから1日2杯は必ず飲む。そうなると月に60杯。値段にして1万円くらいはコーヒー代に消えることになる。無職にはなかなか厳しい出費だ。だがこの程度の贅沢は無職であっても許されるだろう。


 いま学歴詐称の政治家が凄い勢いで叩かれているが、そんなことより公約を守らない政治家を叩いたほうがいいと思う。学歴なんて正直どうでもええやろ。公約を守らないほうがよっぽどひどい嘘だろう。どこかの都知事なんて公約まったく達成できていないのにずっと居座ってる。これはそれでも選ぶ人がいるから。他の候補が信頼できないからって前と同じでいいやでは結局公約も守らなくていいんだと思われてもしょうがない。変化を恐れたばかりに腐敗を止められなくなってる。


 怖くても何かを変えていかないといけないなと思う。不誠実な政治家にはNOを突きつけていかないと、彼らも変わらないだろう。政治家なんてのは基本的に自分の利益しか考えないから、自分の立場が危うくなって初めて国民のためになることをしようとする。いまは選挙前にバラマキをやればいいやという考え方だが、これが常に国民の目を意識しないといけない状態になれば、日本の社会ももっとよくなっていくのかなと思う。そのためには若者が選挙に行き、選択をするということが大切になってくるだろう。


 働いてるときより無職になってからのほうが政治の行く末が気になる。


 無職というのは弱い存在だから、その立場は社会情勢に左右されるということを肌で感じているのかもしれない。無職が安心してコーヒーを味わうことのできる世の中であってほしいものだ。




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