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無職日記  作者: 松茸
19/111

7/22 鳴潮とヤクザ

 日記とは言いつつその日のことをほとんど書いていない。


 これはつまり、毎日記すという意味での日記なのだ。無職の毎日なんて変わり映えしないからね。その日にあったことを書いても面白くない。


 大体朝は7時くらいに起きて、ちょっとぼんやりして、コーヒーを飲んで小説の続きを書いて、ゲームを少しやって、昼飯を食べて、ゴロゴロして、また小説を書いて、ネットフリックスを観て、ピッコマで無料の漫画を漁って、YOUTUBEで猫と音楽の動画を観て、スーパーに出かけて、帰ってきて料理して晩飯を食って、テレビを観て、コーヒーを飲んでまた小説を書く。その繰り返しだ。毎日毎日何も変わることがない。


 ゲームはオンラインゲーム『鳴潮めいちょう』の日課を少しだけやる。ネット環境があまりよくないのでよくネットエラーになる。これがなければ課金してもいいくらいゲームの出来はいい。カルテジアとフィービーが可愛い。キャラクターデザインが秀逸だ。


 プレイステーションプラスでダウンロードした『龍が如く 名を消した男』を少し進める。龍が如くは6・7・8あたりは結構面白かったが、これはそこまでではない。ヤクザもののゲームだ。大昔に津田沼で友達と一緒に音楽イベントのチケット販売のために夜中並んでいた時、地べたに麻雀マットをひいて時間を潰していたらヤクザが話しかけてきたことがあった。


「兄ちゃんたち博打かい」

「はあ、そうなんすよ」

「ワシは〇〇一家の××ってもんや。高い博打紹介してやろうか」

「いやあ、ははは……」


 最近はヤクザなんて見かけない。見てもわかんないのかもしれないが。暴対法が厳しくて目立たないようにしているしかないのだろう。ヤクザが大人しくなっていいことのように思えるが、その代わりに半グレだったり外国系の犯罪集団が勢力を伸ばしていることを考えるといいことばかりでもないのかもしれない。


 昔は祭りとかでも、屋台を出しているテキ屋はヤクザみたいな人間ばかりだった。


 私が小学生の時、縁日の屋台で「地球ゴマ」を売っていた。当時はすごく珍しいものだった。その実演をしていた男性は小指がなかった。たこの入っていないたこ焼きや当たりの入っていないくじを売っていた男性もそうだった。当時は小指のない人間がいっぱいいた。昔はヤクザ社会では「エンコを詰める」というのが落とし前のつけ方として一般的だったらしい。彼らはどこに行ってしまったのだろう。時代と共に、忘れ去られ、消え去ってしまったのだろうか。


 昔は悪い人間というのはわかりやすかった。見た目でわかるようにしてくれていた。でもいまはそうじゃない。いまは普通っぽい人間が平気で悪事を働く。それは悪事のハードルが昔よりも下がっているからなのだろう。世の中に悪事があふれて珍しいことではなくなってしまった。だから金のない若者が簡単に闇バイトなどに手を出すのだろう。


 金がなくなるとみんな悪いことを考え出す。


 でも金がなければ、ないなりに楽しめばいいと思う。私も夏競馬でやられすぎて素寒貧状態だが、ゲームとかやっていればそんなに金はかからない。ゲームを買う金もなければ、小説を書けばいい。これなら一銭もかからない。しかも時間は無限に潰せる。こんないい趣味が他にあるだろうか。

 



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