7/20 芥川賞と直木賞
今日は参院選の投票日だ。
3連休の中日にこれが設定されているのは、投票率を上げさせないためらしい。若者が投票に行くことを望まない政権与党って恐ろしいよね。本当にこの国は民主主義国家なのかな?
ところで、芥川賞と直木賞の受賞作が共に該当作なしだというニュースがあった。27年半ぶり6回目だそうだ。最近あんまり話題に上ることもない両賞だが、半年に1回やってたことも私は知らなかった。東野圭吾がずっと落選続きでいつ直木賞とるんだろうみたいな話題の時はまだ記憶にあるが、最近はどうだろう。
調べたら米澤穂信が2022年とあった。2001年デビューだから20年以上かかったことになる。米澤先生でもこれだけかかるのだから、なかなか簡単にはとらせてくれないみたいだ。こういうのって基本的には無理にでも選んで本の売り上げ促進につなげようという趣旨のものだと思うんだけど、選考委員も作家だから、こだわりが強い人間が多そうだよね。
自分たちもとるのに時間がかかったものだから、若い作家にやるのは嫌だみたいなのがありそうだ。そう考えるとなぜ朝井リョウが23歳で直木賞をとれたのかよくわからないが。基本的には、直木賞というのは長期的に活躍した中堅作家への功労賞的な意味合いが強いらしい。
今回の直木賞の候補になった作家を見てみると、
逢坂冬馬、青柳碧人、芦沢央、塩田武士、夏木志朋、柚月裕子とあった。
夏木さん以外は私も知っている名前だ。読んだことあるのは柚月さんくらいだが。他の4人はまだ早いよ、という判断でも仕方ないと思うが、柚月さんには別にあげてもいいんじゃないかなと思う。実績も十分だと思うが、候補作が弱かったのだろうか。よくわからん。
直木賞に比べて芥川賞というのは新人賞みたいなものなので、これで受賞作を選ばないというのはちょっと不思議だ。話題先行で奇抜な作品に賞を与える印象があるが、今回はそんなに尖った作品がなかったのだろうか。
芥川賞の一番の罪といえば、村上春樹を受賞させなかったことだ。この1点で見る目のない賞であるという烙印を押されてしまっている。受賞作は少しニュースで取り上げられるが、すぐに忘れられてしまう。私も覚えているのは綿矢りさの『蹴りたい背中』くらいだ。他に何かあったっけ? 芥川賞とってそのあと有名になった作家とか村上龍くらいしか出てこない。そもそも純文学というのはあまり売れないものなのだ。
最近は自分で小説を書いているせいか、市販の小説をまったく読まなくなってしまった。本屋はよく覗くが、ひっきりなしに新刊が出ていて、よく世の中にこんなに本があるなあと感心させられる。1冊分の文章を書くだけでも結構な手間だと思うのだが、プロの作家とはすごいものだ。私も見習いたいと思う。
文学賞といえば、私が思い浮かべるのはメフィスト賞だ。20年以上前に私が小説を読み漁っていた頃、この賞を知ったのだが、歴代の受賞者がとにかくすごい。第一回は森博嗣だし、その後も舞城王太郎、西尾維新、辻村深月といった有名作家を輩出している。『図書館の魔女』の高田大介もこの賞を受賞している。創設のきっかけは京極夏彦が講談社への持ち込みによってデビューしたことであるという。そのため第0回の受賞者は京極夏彦とされているらしい。
京極先生は現在直木賞の選考委員でもある。なんかニュースでも出てたね。受賞作出そうとしたけどダメだったわ、みたいなことをおっしゃっていた。4時間かけて話し合ったけど合意に至らなかったのだとか。やはり作家はこだわりが強いのだろう。実生活で付き合うのは大変そうだ。