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無職日記  作者: 松茸
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10/12 キングオブコント

 昨日キングオブコントを観ていた。


 テレビを点けたときにもうすでに2組終わっていて、3組目からだったんだけど、予選の1位2位は1組目2組目で、一番面白いところを見逃してしまったらしい。無職はそういうところがある。他の8組を見た限りではレインボーが面白くて技術的にも優れていると思ったが、評価は3位どまり。ビーズのラブファントムをまるまる1曲使って口パク演技をしたしずるは個人的にすごく面白いと思ったが審査員からは酷評されていた。


 基準がよくわからない。なんかパッとしない審査員ほど変なこだわりがある。芸人は素人に評価されたくないから同じ芸人が審査員をやっているらしいけど、結局は好みの問題だし、審査員に合わせて玄人好みのネタにすれば視聴者の感覚からはズレていくだろう。最近の大会の結果はなんか納得のいかないものが多いように思う。


 どこの世界でもいいものが必ずしも評価されるわけではなく、評価されたものがいいものとして扱われるのだろう。なんか違和感を感じても、評価されてるんだからいいものなんだろうとみんな思ってしまう。なかなか自分の中に揺るぎない評価を持っている人間はいない。みんな周囲の評価に流されて生きている。


 言い間違いをネタにしたものがあった。なんかネタの途中で噛んだり間違ったりするから、これはひょっとして放送事故なのではないかと思ってしまった。でもそれがネタだったということで、途中からはどんどん間違いが加速していってそればっかりになってしまうというものだった。これも評価は低かったが、それは仕方のないところだろう。見ているほうも面白いというよりは、心配からの安堵といった方向に感情を持っていかれるから、純粋にネタを楽しめない。とちったんじゃなくてネタだったのか、よかった安心した、というところで止まってしまう。大会向きのネタではなかったのだろう。ネタ選びも重要なポイントだ。


 私の推しのレインボーも決勝まで駒を進めたが、決勝のネタは明らかに予選より弱かったので、それでは優勝できるはずもない。あえなく散ってしまった。ジャンボのほうはよくテレビでも見かけるが、相方のほうは滅多に見かけない。だが演技はすごく上手かった。ふたつのネタの両方で女性を演じていたが、本物の女性と錯覚するくらいだった。


 しかし番組を通して感じたのは、ダウンタウンの浜ちゃんの技術である。ツッコミのタイミングや言葉選び、出演者との距離感、間の持たせ方といい、何から何まで完璧すぎる。司会進行はほとんど神の領域である。やはりダウンタウンは芸人の頂点なのだ。


 しかしそんな頂点にいたはずのまっちゃんも不祥事であっさり消えてしまった。どれだけ上り詰めても落ちるときは一瞬だ。それが人生の怖いところである。まあ不祥事は自業自得なわけだが……それにしても代償が大きすぎる。


 不祥事で消えていくとそればかりが印象に残ることになる。芸人たちも以前は「憧れの芸人はダウンタウンです」とみんな判で押したように言っていたのに、まっちゃんが不祥事を起こすと誰も触れなくなった。薄情なやつらである。いままですり寄っていたのは見せかけだったのか。本当に尊敬していたわけではなかったのか。


 力を失えば人は離れていく。


 それが世の習いとはいえ、とても悲しい話である。



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