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無職日記  作者: 松茸
100/109

10/11 100話達成

 無職日記を連日書き続けてとうとう100話までやってきた。


 これはひとつの達成である。日記なんてものは続けることが困難である。いくら私が無職でヒマしているからといって、それでも毎日それなりの量を書き続けることは簡単なことではない。その点については多少自分を褒めてやってもいいだろう。まあ内容は純粋な日記かどうか怪しいところはあるが。


 記念すべき100話達成の週ではあるが、今週はずっと痛風発作に悩まされていた。まともに立ち上がり歩くことすらままならない日々。この痛みは経験したものでなければわからないだろう。私も昔は薬剤師として痛風の患者に気軽に薬を渡していたが、その安直さに恥じ入るばかりである。そういえばいままさに発作中であるといって足を引きずりながら来ていた患者がいた。その痛みがいまならわかる。シャレにならない。


 こんなに痛いのでは外出して病院に行くことすらできないではないか。ロキソニンを飲んでも全然痛みが治まらない。湿布を貼っても同様である。ただ椅子に座ってPCに向かうことしかできない。


 おかげで短編もいくつか書けた。


 ナモナキマンはヒーローよりも日常を優先させたおじさんの物語。世界の平和なんかより些細な日常を守り続けることのほうが私たちの人生にとってはよっぽど重要であるという意味が込められている。使命なんてものは幻想にすぎない。私たちはもっと地に足をつけて、手の届く愛を大切にしなければならないのだ。


 オモイデガリはホラーっぽいのを書いてみようかなと思ったのだが、結果的には世にも奇妙な物語みたいになってしまった。これはこれで興味深い内容にはなったと思うが、どうもホラー自体は私には向いていないようだ。ホラーというのはドロドロとした情念から生み出される。私にはあまりそういうものはない。


 痛風発作時の部屋の移動にはキャスター付きの椅子が大活躍している。これがなければトイレや台所まで行くことも困難である。壁に手を当てて、足に衝撃を与えずに移動できる。たまに椅子の足にかかとをぶつけて世界が終わったかと思うくらいの痛みが走ることもあるが……


 火曜日から痛みが始まって、金曜日の夜あたりにようやく治まり始めてきた。足を引きずりながらも燃えないゴミを出すことができた。今日の朝にはもう治っているかと思ったのだが、残念ながら完治はしていない。まだ外出は厳しいかもしれない。


 まあ何はともあれ、100話達成はめでたいことである。


 だんだん話題もなくなってくるのでいつまで続けられるかはわからないが、可能なかぎりは書き続けたいと思う。無職にも継続できることがあるということ、それは世界中の無職の希望になるかもしれない。無職のおじさんは今日も痛風に耐えながら頑張っている。




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