ゲームが先に進まない?
「あの・・・」
恐る恐る話しかけてみる。
一応お礼ぐらいは言っておくべきだと思ったから
「あの・・ありが・・」
「ゆっ勇者だ!!!」
突然アレクが叫んだ。
「どうした?どうした?」
「いやっだって勇者だよ勇者!あの伝説の勇者だよ!!間違いないあの黄金の鎧は勇者の鎧だ!!」
アレクは妙に興奮している。
「何言ってるのよコスプレとかじゃないの?竜魔王を倒した伝説の勇者って竜魔王倒したの50年前よ?本物の勇者ならもうおじいちゃんになっているはずじゃない」
「いやでもあの強さだよ」
「君たち大丈夫だったかい?この辺りは魔物も多くて危ない。早く町に戻ったほうがいい」
黄金の鎧の男はそう言うと何か呪文を唱えた。
まばゆい光に包まれ気が付いたらリエルの町に戻っていた。
鎧の男性はまた呪文を唱えるとその場から消えた。
結局何なの?
何の成果もなく戻ってきちゃったけど、行って帰ってきただけなんだけど、アレスは勇者勇者うるさいし。
「さあ今度こそ大丈夫もう一度行こう!!」
「ええ!?また行くの?せっかく帰ってきたのに?」
「あたりまえだろ!あの洞窟で奥まで行って変な形の鍵を見つけつつゴブリンにさらわれた村娘を助けて村に送り届けなきゃ先に進まないんだから」
「ん!?何を言っているの?」
アレクがまた不思議なことを言い出した。
「村娘って何?そもそもゴブリンだっていなかったじゃない!」
「そんなわけないんだ絶対にいるし、いないとゲームが先に進まないんだよ」
「ゲーム?何言っているの?ゲームって何よ!!」
「あーんーあれだ。気にするな。とにかく洞窟に戻るこれは絶対!!」
「なんなのよ。その変な全部わかってる的な自信は?その自信のせいでついさっきひどい目にあったばかりなのに!」